本編
第四十四話
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方艦娘深海棲艦連合艦隊は、逆に敵を押し返していた。
しかし、敵である艦娘を殺したくはないという気持ちから、2000隻のうち艦娘が乗る800隻は1隻も轟沈してはいなかった。深海棲艦は、戦艦水鬼が”同士討チナンテ日常茶飯事ダシ”とかまうことなく砲撃させたため、すでに250隻近くが轟沈していた。
深海棲艦には軍閥があり、海域ごとどころか一つの海域に複数の小中軍閥がいることなどざらであった。
同じ人類打倒を目指す者同士であるが、些細なことで争うため、仲間を撃つことはなれていたのである。
貴族派側の艦娘は、轟沈してはいないものの兵装や機関を破壊されて戦闘不能に陥る艦が続出していた。
中には白旗を上げて降伏する艦もいた。こういったことから、すでに100隻近く減少した第二特殊艦隊は指揮統制が乱れ始めていた。
近づいてくる深海棲艦を迎撃していた彼女の艤装の第一砲塔が、ロンディバルト側の深海棲艦によって破壊された。
「くっ!い、痛い・・・」
その爆風は艦橋のガラスを吹き飛ばして中にいた艦娘まで壁に吹き飛ばした。
その直後再び彼女を爆風が襲った。
深海棲艦の急行爆撃機が艦橋横の機銃を吹き飛ばしたのである。深海棲艦も、艦娘をできる限り傷つけないように10キロ爆弾程度の威力の低いものを使っていたが、艦橋横となるとさすがに爆風は艦橋にまで届いていた。
「い、いた・・い・・・やだ・・死にたく・・ない・・」
彼女はすぐに近くの妖精に機関を止めて停戦するように言った。妖精も分かったようで、すぐにコクリとうなずくと、階段を駆け下りて行った。
彼女は妖精が階段を駆け下りていくのを見ると、震える手でつん新装置を開いた。
「降伏します。だから、撃たないで・・」
その通信の直後、妖精が白旗を掲げた。
「前方ノ艦ガ白旗ヲ掲ゲテイマス。」
彼女に攻撃を加えていたヲ級が旗艦であるタ級に向かって言った。
「揚陸艦ニ艦ヲ確保サセ、後方ニ下ゲサセナイサイ。」
タ級はすぐに命令を下し、伝令役のイ級が揚陸艦部隊のいる方へ向かった。
「アノ艦ヘノ攻撃ヲ止メヨ。」
タ級が命じると、すぐに彼女への攻撃は止まった。
しばらくすると揚陸艦が近づき、制圧が完了したのかその4分後には後方へ離脱していった。
西暦2115年 11月 14日
フリッツ・ヨーゼフ・ビッテンフェルト
あれから後退して、現在は艦隊の再編を行っている。
既に艦隊は42隻まで撃ち減らされて、艦隊と呼べるものではなくなっていた。
加えて、将兵の士気の低下が著しい。出撃時はあれほど上がっていた士気は既に敵領土深くにいることと、大統領が意識不明だということで尽きつつある。2日間絶え間なく戦い続けていることで、疲労も限界に達しつつある。後1日休みなく戦い続ければ、艦隊は崩
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