第9話「しゅうかん」
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「っ...!助けて!今、ドアの前に奴らが集まってて...!」
私の声が聞こえたらしく、段々と打撃音が近くなってくる。
「....!(押す力が弱まった...?)」
ドアが押される感覚が弱まる。多分、ドアの前の奴らが減ったんだと思う。
「もぉおお....邪魔っ!!」
ゴシャッ!
「(...うわぁ...。)」
鈍器か何かで奴らを倒してるんだと思うけど、音が惨い...。
「ふぅ...これで全部かな?...ここ、だよね?」
「っ!そうです!ちょっと待ってください...。」
ドアの前の奴らが全滅したのか、ドアから声が聞こえる。
すぐに私は積荷をどけ、ドアが開くようにする。
「っ...!?」
「いやぁ〜、まさかこんな所に生存者がいるとは思わなかったわ。」
ドアが開き、入ってきた人物に私は驚いてしまう。
...なぜなら、彼女の姿は血まみれだったから。
「...あ、ごめんね?大量のゾンビを潰してたから、返り血がとんでもないことになってて。でも、噛まれてはいないから安心して。」
「は、はぁ...?」
いや、ビジュアル的にきついのだけど...。という突っ込みは飲み込んでおく。
「あ、もしかして、足を怪我してる?」
「は、はい。噛まれてはいませんけど...。走る事は、無理そうです。」
「そっかぁ...。」
頭をポリポリ掻いて、“どうしようかなぁ...”と呟く彼女。
「じゃあ、足が治るまでここにいておこう。幸い、水と食料はあるみたいだしね。」
「え、でも、あなたは...?」
「んー、適当にここら辺の奴らを倒しておくよ。」
そう言ってバール(だと思う。血まみれで少し歪んでるけど。)を一振りして歩き出す。
「き、危険じゃあ...。」
「だいじょーぶ。さっきの倍ぐらいの奴らとやりあってきたから。あ、それと犬とかとも。」
倍!?多すぎる...。
「まぁ、安心しなよ。私がいる限り、死なせやしない。」
「っ....あ、あの!」
「んー?」
「...モールの方に、友人が一人残っているんです。できれば、その...。」
「助けてほしい...って?」
顔だけ振り返りながらそう言う彼女。
「は、はい...。」
「うーん...生きてたら..かなぁ...。その子のいる場所は一時的でも安全?」
「た、多分...。水と食料もここよりありましたし、奴らの数も少ないので...。」
「なーるほど...。」
少し考えてから彼女は口を開く。
「...まずは君の足を治してからだね。話は全部それから。」
「...はい
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