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竜から妖精へ………
第0話 竜
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下界では大災害に等しいほどの衝撃が襲っていた。


 秒針を刻む事に 街は揺れ、人間達の城の防壁には 大きな亀裂が入る。


 天は怯えているような…、或いは怒り狂っているかのような…、それを現す為に 雷を大地に降り注いでいる。そして、ある山では大噴火が起き、その降り注ぐ火山岩、そして吹き出す溶岩は辺りを燃やし尽くす。


「これは……」


 1人の男が、荒野の空を見上げていた。その視線の更にさき、その場所に霊峰がある。


「また……、1つの時代が終わるというのか……」


 天災が猛威を振るう中で、確かに何かを感じ取ったのか、そう呟いた。


「あれは、絶対的な存在。 今、抗う事は不可能なんだ。 ……彼らが止めないというなら、 また……長い旅が始まる……」


 その男は嘆いていた。彼ら人間達を助けてやりたい。せめて、あの2頭の争いの影響が少ない場所へ、この災害の正体は恐らく、絶対的存在たちの争いだと言う事は直ぐに理解出来た。


 以前聞いたときは戸惑った。 
 あの存在が攻撃を仕掛けたとき、もう一体がそれを防いでいた。

 この目でその瞬間を見た。


「クズとしか思ってない人間を救う。 ……そんなことあるのかと思ったけど…。 まあ 僕もいえないけど」


 この男は命などかけらも想っちゃいなかったが命の尊さを知った。それが…彼らの身に起きても不思議ではない…。


「ありえない事はありえない… 信じ固くともそれはありえる事実…… か……」


 そして、人間達の街から背を向ける。


「願わくば…。 あの争いに……巻き込まれない事を願うよ。 僕は……また会えなかった。この時代でも、会えなかった」


 そう言うと、歩き出した。


「この時代でも……会えなかったんだ………」


 そして、男は 空を再び見上げた。今思う感情を込めて呟く。


「会いたいよ…会いたい…」


 その男が一歩、また一歩 歩くたびに……、彼の傍の生物達が、いや 自然も死滅していく。
 これは呪い。アンクセラム神の摂理に抗ったが故にかけられた、死ねぬ呪い。


「ナツ………」






























 下界が恐怖している事に 勿論気づいている。


『(これ以上は…駄目だな)』


 そう悟ると、殺気と怒気を止めた。視線も反らせた。


『なんだ… 気が変わった…ということか?』


 離れていく姿を見て 黒竜はそう聞いていた。


『違うな……、オレはこんな事をする為に、ここに来たわけではない。オレ達の争い。それは 世
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