孤独を歌う者
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アも……私も。
何処をどう見たって、自分勝手なヤツばっかりだ。
「けどな。我を張るにしても、踏み越えちゃいけない、絶対に守らなきゃいけない最低限の境界線ってもんがあるだろうが。子供じゃあるまいし、誰かが勝手にしてるから自分も勝手にして良いんだとか思うなよ」
(お前もよく聴け、アリア。皆が互いに支え合う優しい世界だったか? 解らなくもねぇよ、そういうの。私だって、クロスツェルに拾われてどれだけ救われたか……でもさ)
「自分が我を通せば、その分誰かが傷付く。苦しむんだ。それでも譲れないと思うなら、相応の覚悟と責任を負わなきゃいけない」
殺したら死ぬ。生き返らない。取り返しがつかない。二度と会えないし、ソイツから続く筈だった後世の命も全部消えちまう。
ソイツを大切にしてた関係者も苦しむ。哀しむ。それこそ殺意を抱いて憎む。
殺したら、その全部を背負わなきゃいけない。忘れる事も投げ出す事も、当然逃げ出す事なんかしちゃいけない。
殺した事実は、罪を償おうと何をしようと絶対、無かった事にはできないんだ。
「逆に言えば!」
(何が正しくて何が間違ってるとか難しくてよく解らないけど、これだけはハッキリ言える)
「自分の言動にすら責任を持てないヤツが、ピーチクパーチク騒ぎ立ててんじゃねーよ! 鬱陶しい!」
(死ねば良かったよ。ああ、私もそう思う。私は元々下町で泥棒して喧嘩して、その日暮らしに必死だっただけなのに。私達の所為で世界まるごと狂わせてたとか、どんだけ苦しまなきゃいけないんだよ。考えるのも嫌になる。泣き喚いて後悔する振りで現実逃避してるお前より、こっちのほうがよっぽど泣きてぇっつーの!)
「事実は事実として受け入れろ。死んだヤツは絶対に戻らない。生まれ変わりなんて無い。諦めろ。諦めて、認めて、背負って。もっとちゃんと生きろよ、レゾネクト」
「ロザリア!? 駄目……っ」
「にょにゃににゃ! みゅみょういにみみゃみゅみゅにぇにゃい!」
「ロザリア!!」
私の腕を引く幼女と何かを「気にするな」と言いつつ避けて、レゾネクトに歩み寄る。
ベゼドラの声は完全無視。
……クロスツェルも気付いてるのか?
私の中に居た魂は殆ど何も知らないみたいだったけど、レゾネクトの中で眠ってたほうの魂が何かを知ったのか。
胡散臭い神父の顔で、私と並んで立った。
「アルフリードとやらを産むつもりはない。お前がどうしても寂しいって言うんなら、私達が遊んでやるよ。殺し合いとかそっち方面は全力で断るがな。私はもう、誰かが死ぬのは真っ平御免なんでね。人間世界には体を酷使する運動競技ってのが出来てんだ。そういうので気分転換でもしろ! そのくらいなら幾らでも付き合ってやるから」
私が右手を差し出せば
「それか、私
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