暁 〜小説投稿サイト〜
姉ちゃんは艦娘
番外編・弟と別れてから
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れで、今日はそんなにヒドい顔をしているわけか」

 これは、睡眠不足で目の下にクマができ、泣きはらしたせいで目が真っ赤に腫れている私を心配していた司令に、その理由を説明したときの司令の反応だ。少々呆れた顔はしているが、憤慨というよりは苦笑という感じだ。

「そうデース……とても面白い話デシタけど……今日はちょっと眠いデース……」

 私の隣で、金剛お姉様がフラフラの状態でそう言う。いつもは元気なお姉様だが、程度で言えば私よりも金剛お姉さまの方がヒドい。今のお姉さまの顔は、普段は可憐で元気なお姉様にあるまじきヒドさだ。今日だけはお姉様の頭の上に『Z』の文字が、いくつかプカプカ浮いているのが見えた。

「まぁいい。今日は二人の出撃は無しだ。大淀。金剛と比叡の出撃予定は今日はキャンセル。代わりにイタリアとローマでローテを組んでくれ。彼女たちの練度向上も兼ねることにしよう」
「分かりました。聴取が終わり次第、各人に伝えます」
「サンキューね……テート……クカー……」
「寝るなー。事情聴取への同席はお前が言い出したことだろうがー」

 司令はそう言いながら席を立ち、お姉様の顔をペチペチと叩いていた。お姉様は叩かれながら、『あんっ……ダメ……比叡が見て……マース……ウヒヒヒ……』と言っていた。

「まいっか……さて比叡」
「はい!」
「この数カ月、何があったのか話してくれるか?」
「はい! 分かりました!!」
「テートク……ひょっとすると……ヤキモチやくかもしれない……デース……」
「お前……寝てるのか起きてるのか、どっちかにしろよ……つーかヤキモチ?」
「デュフフフ……」
「それじゃ、まずレ級と共に海中に沈んだ後から話してくれるか」

 私は、この場に持ち込んでいたシュウくんのバットを強く握りしめた。シュウくん、私はこれから、シュウくんとの楽しい思い出を司令やみんなに知ってもらうね。

「はい。海中に沈んだ後、気がつくと私は、神社に立っていました」
「それはどこの神社だ?」
「分かりません。どうも別世界のようです」
「ほほう」

 自分でも突飛な話だとは思うが、やはりシュウくんが言うとおり、シュウくんがいるところとこちらは、違う世界なのだろう。少し心配になり司令と大淀さんの様子を伺うが、二人とも至極真面目に、冷静に私の話を聞いてくれていた。司令は冷静だけど優しい眼差しでまっすぐに私を見つめ、大淀さんは冷静にパソコンのキーボードを叩いて発言を記録している。

「それで、その後は? 現地の人とは接触したか?」
「はい!」

 この日からしばらくの間、私はこの話を司令だけでなく、艦娘のみんなにすることになる。そして、その度に『素敵なロマンスですわ〜……ぐすっ』『おれもそんな弟が欲しいぜ……姉ばっかり4人
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