アインクラッド編
龍皇の遺産
戦慄の記憶 02
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大体、こうして一緒になっておしゃべりをしている時点で同罪なので、僕から言えることはないのだ。
改めてぼったくり鍛冶屋のリズベットことリズさんに視線を移す。
アマリの冗談みたいに長い桜色の髪も大概だけど、彼女のベビーピンクのショートヘアもかなり派手だ。 ダークブルーの瞳は大きく、それでいて口や鼻は小さい。 古風なエプロンドレスに身を包んでいる姿を見ると、鍛治師と言うよりはウエイトレスと言った方が通じるかもしれない。 歳は僕よりも幾つか上だろうけど童顔で、なんて言うか可愛らしいお人形のようにも見えるけど、その実、性格はその外見を大きく裏切っている。
気に入らないお客さんを怒鳴りつけたりすることがあったり、口もまるで大人しくはないし、おまけに失礼ではあるけど女子力はかなり低い。 それでも今は絶賛片想い中らしく(お相手は僕も良く知る人物だ)、その話しをする時は決まって女の子の顔になるので、そんなところは素直に可愛いと思える。
僕やアマリなど、仲の良い人と話す時はあまり遠慮することがなく、今も完全にプライベートモードだ。
「で、今度は何を考えてたの?」
「今年のクリスマスにリズさんがしてくれるミニスカサンタが楽しみだなーって」
「するわけないでしょ、そんなの」
「え、しないの?」
「なんで普通に残念そうなのよ……」
頭痛がするのか呆れたのか、リズさんは額に手を当ててため息を吐いた。
ちなみにリズさんはツッコミ役だ。 奇人変人が多い僕の周りにしては珍しく常識的な人で、話すのが楽しかったりする。 僕との交流に限って言えばアルゴさんもツッコミ要員だけど、あの人はあの人で間違いなく変人の部類だろう。
例えば、さっきの話しをアルゴさんにすれば、『ミニスカサンタならしてやってもいいゾ。 1万コルだナ』と言うのが目に見えている。 更に、実際にしておいて『フー坊に辱めを受けタ。 この情報はマーちゃんにいくらで売れるかナ?』と強請ってくることも確実だ。
「あーあ、残念。 リズさんのミニスカサンタ、結構楽しみにしてたんだけどね」
「彼女の前で何言ってんのよ。 ほら、あんたも何か言ってやんなさい」
「あはー、私もリズ姉様のミニスカサンタを楽しみにしてるですよー」
「あんたもか??」
「仕方ないなー。 じゃあ、僕がトナカイをしてあげるからさ」
「なら、一緒にプレゼントを配って……って、しないって言ってるでしょうが??」
「じゃあ、私もフォラスくんと一緒にトナカイさんです。 あはー、楽しいクリスマスになりそうですねー」
「人の話しを聞けー??」
リズさんの絶叫が部屋に響き渡ったところで、僕とアマリは一緒になって笑う。
こう言う反応をしてくれるからやっぱりリズさんは面白い。
「あー
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