竜の王
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が口々にそう言う。ナツさんは驚きすぎて何も言うことができず、ただただ立ちすくんでいる。
「奴によりほとんどのドラゴンは滅んでいった。それが今から400年前の話だ。ワシは・・・貴様らに・・・」
突然話していたジルコニスの声が遠くなっていき、俺たちの前にいた巨大な幽体が消えていく。
「あぁ!!おい!!」
「消えた!?」
「まだ聞いてねぇことあんだろ!!」
天に昇るように姿が見えなくなったジルコニスに対してナツさん、グレイさん、ガジルさんが叫ぶ。
「「「ウェンディ!!」」」
「どうしたの?」
魔法陣を展開していたウェンディの周りに漂っていた魔力の壁がなくなり、彼女の元にシャルルとセシリー、ハッピーが駆け寄り、俺も体を反転させて彼女の方を見る。
「ダメです。この場から思念が完全に消えました。東洋の言葉でいう成仏・・・というものでしょうか?」
閉じていた瞳を開け、空へと消えてしまったジルコニスの魂を見送るように上を見上げるウェンディ。成仏って確か天国とかの向こうの世界に行くこと・・・だったっけ?
普通は死んでしまったらその魂は安楽の地にいくとされてるけど、その世界に強い後悔などがあると現世に魂が残ってしまうことがあるらしいよな。ジルコニスはそのパターンってことなのだろうか?やっぱり同族同士の戦争で命を落としてしまったという強い後悔があるんだろうなぁ。
「なんだかえらいことになってきたなぁ・・・」
「スケール大きすぎよ!!」
グレイさんはなんとか冷静さを保ちつつそう言い、ルーシィさんは話の大きさに涙目でそう言葉を漏らした。
でもそんなことは別にどうでもいいんだ。俺的にはさっきの話しにはもっと重大な部分がある。
「滅竜魔法使いすぎると・・・本物のドラゴンになっちまうのか!?」
そうそれ!!冷や汗を浮かべながらこちらを振り向いたナツさんも俺と同じことを考えていたようだった。
「それは困る!!」
「どうしよう・・・」
「なんでそんなことに・・・」
ガジルさんもそう叫び、ウェンディはうっすらと涙を浮かべて頬を押さえ、俺も予想だにしなかった展開に泣きそうになってしまった。
そういえば滅竜魔法って失われた魔法の一種ってされてるけど、もしかして使いすぎるとドラゴンになってしまうという副作用のせいでそうなったのかな?ヴァッサボーネその事知ってて俺に滅竜魔法を教えたのかな・・・
「それはありえんよ」
「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」
俺たち滅竜魔導士が不安で押し潰されそうになっているとどこからか聞き覚えのない男の人の声が聞こえてくる。
「誰!?」
俺たちは声がした方を振り向く。そこは崖のようになっているとこ
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