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姉ちゃんは艦娘
8.姉ちゃんの正体
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ない。

 そして、肝心の次女、比叡。基本的に料理は下手ではないが、気合を入れると失敗する点、表情豊かで『ひぇええ〜』という口癖。そして何かにつけてのトリプルリズム。あらゆる点で、うちにいる比叡さんと特徴が一致する。

 動画サイトにアクセスし、岸田が探し当てた比叡のキャラボイス集をすべて聞いてみる。聞けば聞くほど、比叡さんとしか思えない。『ひぇええ〜』の言い方も何もかもだ。

 ある程度インターネットで情報を集めた後、僕はベランダで洗濯物を干している比叡さんを居間に呼び、色々聞いてみることにした。

「姉ちゃん、ちょっと来てくれる?」
「分かった。全部干し終わるまで待っててね」

 比叡さんには、かつて比叡さんがいた 叢雲たんチュ……岸田鎮守府に、一体誰がいたのか聞き取り、すべてメモった。

「えーとね、まず金剛お姉様を始めとした、私たち金剛型の四人でしょ……それから、長門さんと陸奥さん、伊勢さんと日向さんに、扶桑さんと山城さん……あとは大和さん。戦艦勢はこんなとこかな。空母勢は一航戦の赤城さんと加賀さん……二航戦の……メモするの大変じゃない?」
「大丈夫。だから続けて」
「分かった」

 すべて聞き終わったあと、それらの艦娘が存在するのか、攻略サイトの艦娘一覧で調べてみた。結果はもちろん、全員艦娘として存在していた。本当は、この攻略サイトを比叡さんに見せるのが一番手っ取り早かったのだが、なぜかそれは、今はやってはいけない気がした。

「シュウくん、お昼ごはん出来たよ」
「分かった。ありがとう」

 お昼ごはんで比叡さんの玉子焼きを堪能したあとは、さっき比叡さんから聞いた艦娘たちの名前の一覧表をパソコンでリスト化して印刷。明日学校で岸田にこれを見せ、もう一度岸田のデータを見せてもらう。とりあえず、今日家で出来る事はもうない。病み上がりの状態で、ずっとパソコンの前に座ってパチパチ作業するだなんて慣れないことをしたせいか、少し疲れた……ちょっと眠ろう……そう思いベッドで横になった途端、両まぶたが急に重くなり、僕の意識は途絶えた。

 結局その日はそのまま晩御飯まで睡眠。そして晩御飯が済んだらいつものようにお風呂に入って再度落ちた。

 次の日、朝一で岸田に話をつけ、再度岸田に艦これのプレイ画面を見せてもらうべく、放課後に岸田の家におじゃました。相変わらず岸田の部屋の中はフィギュアがたくさん置いてあるな……まぁ来たのは一昨日だから、1日2日で劇的に部屋の中が変わってたら、それはそれで気持ち悪いけど……

「それにしてもびっくりだな」
「? 何が?」
「一昨日うちに来て、そのあと体調崩して、次の日休んだろ?」
「うん」
「おれ心配してたんだよ。そしたら今は元気どころか、艦娘のリスト作ってきて、また艦こ
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