私の宝物 超能力 第3話
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のだった。
幸男は今、父が経営する本社に勤めている。一応役職は主任だが、いずれは社長を継ぐ身だ。
幸男も親も忙しい身だ。時を改め二週間後に来て欲しいと暗子に伝えた。
一方の暗子は招待を受けたのは良いが、財閥の家に招かれても貧乏な暗子は、どんな格好で行けば良いのか悩んだ末、事の次第を母に相談した。
「そんな事があったのかい。でも無事で本当に良かった。母さん安心したよ。命の恩人って言われたのかい? お前が危険を感じて、その人を引き止めたんだね」
「え? 母さんどうしてそんな事を知っているの」
「だってお前の母親だよ。お前に予知能力がある事は薄々知っていたよ。妹の洋子の時もそうだった。確かあの時、遊びに行くのを引き止めた事があったね。その後やはり交通事故があって洋子が通る道だったよ。それ以前にも似たような事があったし、今回の事で確信したよ。もしかしたら貴女にはそれ以上の、能力があるかも知れないわ」
「自分でも良く分からないの。予知能力が自分にあるなんて……。なに? それ以上の能力って? 私、病気なの怖いよ」
「うーんエスパーつまり超能力かな。決して病気じゃないよ」
「まさかぁ、ドラマじゃあるまいし」
「ううん、暗子は生まれた時から不思議な力があった。確信はないけど悪い事じゃないし。でも実際そう人間は実際に居るのよ。有名なのはユリ・ゲラー。エドガー・ケイシーとか日本でも御船千鶴子なんて沢山いるのよ」
「不思議な力ねぇ……今回の事も確かに危険を予知したし……まぁいいわ。人の為になるのなら」
他人が聞いたらエスパーとか超能力とか言っている二人は笑われるかも知れない話だった。
話題は招待された話に戻った。
「でも招待されても、洋服もないし社交場のマナーなんて知らないし……」
「それは心配ない。昔ね、母さん結婚式場に勤めていた事を知っているでしょ。だからある程度のマナーなら教えられるよ。まかせなさい」
「そっかぁ、そうだったね。母さん見直した」
そう言って暗子は笑った。
時間は二週間ある。暗子の社交マナーの特訓が始まった。
挨拶の仕方、言葉使い、食事のマナー、歩き方など母は知っている限りの事を教えた。
母は招待日の一週間前に昔勤めていた結婚式場を訪ねた。遠い昔だが社長は知っている。そのよしみで貸衣装を安く貸してくれると云う。暗子を連れて衣装合わせをした。
「母さん、勿体無いよ。それにこんなの着馴れていないし」
「何を遠慮しているのよ。こんな日の為に少しは貯金しているのよ。心配しないで」
暗子は身長一六八センチある。女性としては大きい方だ。ほっそりしているから大柄には見えない。
普段はジーパンにスニーカーだから、着替えたらまるで別人のようだった。
そんな姿を見て母
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