黒蝕の陰、天廻の陽
危機!テツカブラを狩れ!【後編】
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ウチケシの実』と言うそうだ。何かに使えるかもしれない。持っていてほしい。」
「分かった。さあいくぞ!!」
四人は再び武器を構え、テツカブラに立ち向かった。
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同刻、ナグリ村
「しっかし…一体全体どうしたってんだナグリ村は…。」
ガートン、お嬢と共に村内を散策するジャックス。
方々で悲嘆にくれる土竜族に声をかけはするものの、結果はみな同じであった。
「村長はっと…。あ、あそこだ!おーい村長!俺だ、ジャックスだ!」
小走りで村長の元へ駆け寄るジャックス。
「んあー…?ジャックスか…。どしたい…。」
「村長、どうしたってんだよ。もっと元気を出せって!
自慢のヒゲも地面に向かって垂れちまうぞ!」
「あーそうだなー…。」
「ダメか…。ひげの事をイジるとすぐに怒ってくる村長がこんな調子じゃ、周りの皆から活気が無くなっているのもどうしようもない…。」
帽子を深く下げたジャックスが静かに願う。
(何とかこの村に襲い掛かった脅威を打ち砕いてくれよ、皆。)
物陰から静かに周辺の様子を伺う料理長ネコ。
「フムフム…。どうやらこの村の皆はなぜか知らないけど元気がニャいらしいニャル。」
と、竜人商人のじいさん。
「会話を聞く限りじゃここを本来流れておるマグマも、今は見当たらんわな。」
二人は顔を見合わせ、策を講じるために考え込む。
「ワシは今回はお手上げじゃな。たとえ行商で鉄鉱石を仕入れたとしても、加工の源のマグマが無ければ仕事にならんわな。」
竜人商人はさもお手上げと言いたそうに両手を挙げた。
「とりあえず腹が減っては何とやら、ニャル。皆の分の料理も作って何とかして元気にしてみせるニャルよ。」
「ほっほ、ならばワシも行商の伝手を頼りに滋養強壮に効く食材を仕入れるとするわな。」
会話を終えた二人は頷くと同時に、各々の持ち場へと戻った。
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同刻、ガルガン地底洞窟
「うぐっ…これは手強い。」
狂竜症の疑いがあるテツカブラとの戦闘開始からおよそ十分。
各々手ごたえを感じるシーンがあったものの、有効打とはいかない状況が続いていた。
とはいえ、テツカブラも右前脚が部位破壊済み、アゴの牙も片方が折れ目に見える傷が増えていた。
「だが、これまでの状況において分かったことがいくつかある…。」
アルフレッドも武器を構え直し
「皆さん!次に黒い涎を垂らし始めたら今度は落とし穴を仕掛けます!その際に
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