黒蝕の陰、天廻の陽
危機!テツカブラを狩れ!【後編】
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先陣を切って突撃したのはダイラス。
肩に担ぐフラストレーションを腰付近へ運び力を溜めながらテツカブラの左半身めがけて飛び上がった。
「一番槍はもらったぞォ!」
そのまま攻撃をヒットさせるかという状況を魔の一手が覆した。
テツカブラの一唸りとともに横幅がハンター二人分はある強靭な右前脚がダイラスを瞬く間に薙ぐ。
「グッ…カッハ…」
そのまま天高く放り上げられた後地面に叩き付けられる。
重傷というわけではないが、衝撃の余波がダイラスの脳を揺さぶる。
「ゲホッ…こ、こんな話聞いてねえ…。」
「狂竜症により筋肉の身体的制限が外れているのか…。それに伴い感覚神経も研ぎ澄まされている様だ…。これは並のハンターや腕自慢でも勝てそうにない。と、なれば」
ポーチから円盤状のアイテムを取り出したアルフレッドはそれを地面にセットし、テツカブラの真下の空間に滑り込んで腹部に片手剣を突き立てた。
鉱石で十分に鍛え上げられた鋭い六十二式対飛竜剣がテツカブラの腹部を突き破る。
突き立てた片手剣で勢いをつけ、腹下から剣を引き抜きながら脱出した。
当然テツカブラはアルフレッドに敵意を向けるものと思われたが、突如ビンを変更していたアルマへその跳躍力の矛先を向けた。
「アルマさん!緊急回避を!」
跳躍するテツカブラの存在に気づき、回避を始めたその時
「ぜぉりゃあ!!」
フラストレーションを担いだダイラスが飛び掛かりながら側頭部に会心の一撃を命中させる。
テツカブラは衝撃波と共に吹っ飛んだが、着地したダイラスも若干フラつきがちであった。
「助かったわ、ありがとうダイラス。」
「ラス、大丈夫か!?」
「あんま…大丈夫じゃねえな…。体の中を変なのが蠢いてる感じだ。正直気持ち悪ぃ…。」
「体の中を変なの…まさか、狂竜ウィルスに感染した!?」
とっさにポーチの中身を探り出すアルフレッド
「まずい…いまだモンスターへの感染報告がされていただけで人体への被害は未知数…。
クエストリタイアもやむなしか…。」
サイン用の拳銃にリタイアを報せるための銃弾をこめるアルフレッドだったが
「アル、そんなことしなくたっていいぜ。
このまま俺たちがあのカエルを始末しなかったらナグリ村の皆にどんな顔して謝ればいいんだ?
あの女の子だって建前は元気そうに振舞っていたけど、心の奥底では絶対に悲しんでるはずだ。」
拳銃をつかみながら諭すダイラス。
テツカブラは衝撃から体勢を立て直し、標的を再びダイラスへ向けた。
「…そうだった、ありがとうラス。
僕は大切な事を忘れていた。」
ポーチから一粒の実を取り出した。
「本部から何かあった時のためにと支給されていたアイテムだよ。
『
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