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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第208話 最後の戦い
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う恭二。その華奢な身体に一体何処にこんな力があると言うのだろうか? と思える程のものだった。完全に優位の体勢であるのにも関わらず、上から抑え込みをしているのにも関わらず、逆に押し返されそうになってしまった。
「ぐぁっ……!!」
そして、左手を開放してしまった為、がむしゃらに放った拳を、顔面に受けてしまった。
「アサダサンを、マモレルノハ 僕ダケナンダぁぁぁぁ!!!!」
その勢いのまま、彼の身体を押し返し、右手の注射器を解放してしまった。その右手を向けたまま、覆いかぶさった。
「りゅうっ……!!」
誌乃は、それを見て思わず、部屋から飛び出た。右手に見える器具。それが一体何なのか、厳密には判らない。だけど、その
形状
(
フォルム
)
は 嫌な予感しかしなかったのだ。そう、まるで拳銃の様に感じた。
その凶器が、
彼
(
・
)
に向けられたのだ。
「死ネェェェェェェェェェ!!!!」
恭二は そのまま、注射器を突きつけようとするが。
「何一つ……」
打ち付けられる瞬間に、その手首を抑えた。恭二の叫びを訊いて、全く納得が出来なかった。『守る』と恭二は言っている。だが、実際の行動はどうだ?
「何一つ、守れない癖に……、何一つ助けられない癖に、巫山戯た事を言ってんじゃねェ!!!」
それは、まるでそぐわない恭二の行動だ。
……愛している。守ると言っている人物を。シノンを、誌乃を殺そうとしたのだから。闇を打ち明けてくれて、そして 差し出した手を掴んでくれた。……答えられる限り、命が続く限り答えなければならない。
だからこそ、怒声とともに、恭二の手首を捻り上げた。
「ガァッ!!」
手首に感じた異常な痛みを受け、反射的に動いてしまう。その恭二の身体の反射と 自分自身の力を合わせて、壁に投げを放つ。……勢いよく壁に恭二は激突をしてしまっていた。
「シノンが、誌乃の事が 好きなら、『愛している』 とまで言えるんなら、彼女を全てから守って見せろよ! こんな巫山戯た事件に手を貸さずに、彼女を守る為に戦えよ!! ……何故、何故 彼女の命を奪う行動を取るんだ!?」
その怒声の勢いのままに、投げられても尚、握られていた注射器を蹴り上げた。
パリン! と言う何かが割れた音がしたかと思えば、充填されていた液体が散りばめられた。 それを見た誌乃は、反射的に仰け反ってしまう。
この液体が死に至らしめるモノだと言う事が判ったから。
恭二は 彼の心からの慟哭を受けても 何も反応しなかった。いや 今彼は気を失ってしまっているのかもしれない。
恭二の事を、知っている訳ではない。……彼にも何かがあった。狂気に駆られる様な事があった
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