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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第208話 最後の戦い
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しているのだろうか、あのぼろマントの死銃の眼に似た感覚がした。その勢いのままに、注射器をまるで拳銃の様に構えながら、突撃をしてきた。

「近づくなぁぁぁぁぁ!!!!!」

 遮二無二に突っ込んでくる恭二。それを見たリュウキは、軽くため息を吐く。……その表情から取れるのは、何処か悲しみ、そして憐れみだった。

「………お前は、彼女の友達、なんだろ?」

 突き出された注射器を寸前で躱すと、そのまま足を引っ掛け、倒した。

「自分自身の闇と言うモノを内包している限り、……他人に真の意味で心を開くなんてしない。こんな恐ろしい事件があって、その危険性がまだある時に、彼女は、お前を呼ぼうとしていた。……と言う事は、それ程信頼している人なんだろ?」

 男の表情は、憐れみから、怒気へと変わる。
   
「なぜ、なぜだ? なぜ、彼女に手をかける?? シノン、いや 誌乃の苦しみをお前も知っている筈だろ!?」
「黙れぇぇぇぇ!!! う、うがぁああああああっっ!!!!」

 足で、恭二の腕を抑え、注射器を完全に防ぎつつ、マウントポジションへと移行した。……ただ、彼女を狙うストーカーの類であるのなら、この場で蹴りの1つや2つをいれて、昏倒させるのも悪く無かった。……だが、この男にも、何か底知れない闇、何かが見えた気がしたのだ。狂気とさえ、いった方が良い。だが、それでも理解が出来なかった。

「なぜ、殺人を犯す!? なぜ、誌乃を襲うんだ!?」

 残った手で、左手を抑えると同時に、顔を近づけながら、恭二に問いかけた。

 そう、彼女を襲う理由だった。いや 現実には世界各地で様々な犯罪が犯されている。勿論殺人も。……好きな相手、好意を持っている相手を手にかける、と言うのも別段珍しいものではなかった。
 理解出来ない最大の理由の1つ。それは ()が 人を愛すると言う気持ちを、感情を知った事にあったのだ。


 それでも、恭二は暴れたまま、何1つ話にならなかった。
 ……もう、無理だ。出頭を、自首をさせる事は不可能だと悟る。既に警察には 関係者と通じて話が入っているから、このまま抑えておけば、いづれは終わるだろう。

 それでも、自分の意思で出頭をして欲しかったと言う気持ちもあった。

 あんな顔をしていた彼女が気を許せる者だったから。そして、出来る事なら もっと早い段階で取り押さえたかった。何処から 誌乃の家に向かうのかも判らない状況故に、待ち伏せるとなれば、この場所しか無かったから。

 だから……、今の話を聞かれてしまったのも無理ない事だった。



「しん、かわ……くん?」



 この暗闇の中で、声が、聞こえてきた。それは、聞き覚えのある声。……そう、シノンのものだった。

「……今は
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