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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第208話 最後の戦い
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こうには自分の顔が見るが、相手の顔はまだ、判らなかった。
 
「……誰ですか?」

 極めて普通に、冷静に努めた返答をした。
 これからの事を考えたら、誌乃以外に目撃をされるのは好ましい状況ではない。誌乃が暮すマンションの左右の部屋は空き部屋であり、発見される、みられる可能性は低いとは言え、騒ぎにでもなれば、下位、上位の階に暮す人達に不審に思われるだろう。

「新川、恭二。……新川総合病院のオーナー院長の御子息、か」
「っ!!」
「……あまり考えたく無かった事だったが、そうだな。病院側の人間であれば、電子錠のマスターキーを持ち出せた。……突然の発作に襲われ、自分の意思では病院にいけない。意識を失ってしまった患者を助ける為の緊急用マスターキー。そして、死に至らしめるのは 筋弛緩剤、と言った所か。全ての筋肉が動かなくなれば、随意筋、不随意筋が動かなくなれば、当然だが肺や心臓の動きも止まる。……血液を脳にも運べない。そのまま 死に至る」

 淀み無く、それでいてはっきりと言われたのは 殺人の方法と住居侵入の方法、その答えだ。ここまではっきりといわれてしまえば、名俳優と言う訳でもない彼が、新川恭二も冷静でいられる筈は無かった。
 
「ッ……、お、お前は……ッ!!」

 ゆっくりと動いたその影は、恭二がいる辺の光源が届く範囲まで近づいてきた。その顔が照らされる。
 その姿は、男のモノだった。見た事のない顔だった。

 いや、違う。見た事(・・・)はあった。話こそしていないが、現実でも見た事がある顔だった。そして、その輪郭が、その素顔が溶け、軈てGGO世界でのアバターへと恭二の脳内で、変換され 視覚に現れる。

「ここから先は通行止めだ。もう、全てがバレている。出頭しろ……。大切なモノを失う前に。 もう一度言う。この先に通すわけにはいかない」

 はっきりとそう言われ、恭二も激昂する。もう、周りがどうの、と考えてなどいられない。

「お前、お前かぁぁぁぁぁあああ!!!!」

 ダウンジャケットの中から、取り出したのは奇妙な形をしたモノだった。全体は20cm程であり、艶のあるクリーム色のプラスチックで出来ている。グリップ部分と円筒の接合部には緑色のボタンが突き出ていて、取り出した恭二の人差し指が添えられていた。
 それから連想されるのは、子どもが遊ぶおもちゃの光線銃、といった趣だ。だが、その用途は違う。子供から大人まで、幅広く活用されている医療器具の1つ。……特に昔は、大人でも嫌悪していたモノの1つ。改良され、痛みを取り除いた代物。

「無針高圧注射器。……それが、死銃の正体か」
「僕の朝田さんに、僕の朝田さんにぃぃぃぃ!!!!!」

 激昂を続ける恭二の顔は、赤く染まっていた。血の様に赤く、目元も充血でも
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