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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第208話 最後の戦い
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キュリティプログラムは、優秀極まりない物だった。システムやプログラムの網目を掻い潜る。技術が幾ら進歩しても 相乗効果でサイバー犯罪の手口も巧妙になっていくのにも関わらず、一切の勝手が出来ない。……まるで出来ないのだ。
 いや それは 網等ではない。比喩抜きにしても、目の前に分厚い鉄板。いや 分厚い鋼鉄の壁で隔たれているかの様にしか思えない。 その強固で堅牢なネット上での要塞。……だからこそ、掻い潜るのは不可能だった。
 ……更に、製作者側は その壁がまるで無かったかの様に、素通りする。どんな尻尾も逃さない。まるで 蛇の様なしつこさで 虱潰しに潰されてしまったのだ。

 そう、SAO時代のギルドの様に、……潰されたのだ。



 それは、隼人が知る由もない出来事。隼人はただ依頼された仕事を引き受けただけ。プロとして最高の成果を魅せただけだった。――……彼らの完全なる逆恨みなのだ。




 そうだとしても、狂気に彩られているこの男に最早理屈は通用しない。善と悪さえももう無い。……だからこそ、《プレイヤーキラー(PK)》で有り続ける為に、罪もない人間を手にかける事が出来るのだから。

「今度は、お前が潰れちまいな。……いや その前に、もう一発痺れてみるか? 重ねがけすると、死んじまうかもしれねぇがな!」

 スタンガンを構える昌一。スタンガンは空中放電を続けており、目に見えてスパークさせている。ばち、ばち、っと甲高い音を発しながら。



――あの世界の闇が、別の世界へと移り、そして 現実世界へと還ってきた。



 隼人はそう感じた。
 浮遊城アインクラッドの崩壊と共に、全てが終わった。……ALOの世界ででも、闇は蔓延していたが、それはまた違う闇。……あの世界、剣の世界で生まれた闇が 世界が崩壊しても、漂い続けたのだ。

 放置をしていれば、闇は広がる。……夜が必ず訪れるのと同じ様に 陽の当たる光をゆっくりと飲み込んでいくだろう。……この狂気は、あの時の、そして 今の仲間達に。かけがえの無い友人達にも 蔓延していくだろう。……そして。
 
『一番良いのは…… あの《閃光の娘》に、死を与えるのがそうだった』

 そう、愛する人にも、迫る……。

 隼人は、そう思った瞬間、あの世界でも最後に感じた手の温もりを思い返していた。例え精神が離れていても、傍にいてくれた。見守ってくれた彼女、玲奈。



――……玲奈に迫ると言うのか!?



「……ぁぁぁああああッッ!!!」

 隼人は、渾身の力を拳に込めた。
 GGOの世界では銃に。SAO−ALOの世界では剣に。……そして、この現実世界では 己の拳に。頭の中は まるで炎が巻き起こり、渦を巻いているかの様に燃え盛る。抑えきれない怒
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