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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第208話 最後の戦い
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べ物にならない程歪んでいる。普通ではない、と一目で判る程だった。そして、淡い茶色の髪は 恭二と同じ、だが 手入れを全くしていないのだろうか、ぼさぼさ 頭、と言える状態だった。

 その容姿から、この男が 《新川昌一》であり、《死銃(デスガン)》なのだという事を、声に出す事は出来なくとも、頭の中では 理解をする事が出来ていた。

「まぁ、恭二が何をするか。大体は判っていた。念を入れて来て正解、だったぜ。……鬼に、また 会えるとはなぁ……。それも、鬼。……リュウキが、RYUKI、だったとはな。つくづく 腹立たしい男だ」

 身体が上手く動かず もがく様に立ち上がろうとする隼人。その隼人を足蹴にしつつ、誌乃の方へと視線を向けた。

「混乱してるみたいだから、一から教えてやろう。……そこで寝てる恭二は、ゼクシードって奴のミスリードに踊らされて、GGOでの世界で勝てなくなった。親も接続料を出してくれねえ。あの世界で勝つしか、あの世界にいられない。……オレらと同じ様に 現実世界じゃ もう生きてはいけねぇ身体になっちまったんだよ。なぁ? 恭二」

 倒れている恭二は、起き上がる様子はない。誌乃は、そんな恭二を見たりはしない。誌乃の頭には 倒れた隼人しか無かった。
 だけど……足がすくんで動けなかった。 それを見た昌一は 悟った様に笑みを見せる。

「残念だったな。恭二。コイツの中に もうお前はいないみてぇだよ。今回、お前が何かをするつもりだった、薄々感じてたが。もう しょうがねぇよ。銃で悪人を殺した女って言うのは コイツの事だったんだろ? 憧れとかなんとかって、言ってたもんな」

 詳しくは昌一は訊いていないし、恭二も細かには言っていない。意中の人物の事を兄弟とは言え、おいそれとは言っていないから、おぼろげ程度にしか判らなかったが、今回の行動を見て、大体察したのだ。

「ッ………!!」

 誌乃は、隼人の事しか、倒れている隼人の事しか考えられていなかった。
 だが、その昌一の言葉は 直接脳内に叩き込まれる様に染み込んだ。

――なんと言う乖離。隔絶なのだろう。

 そう、誌乃が 隼人、そして 和人と出会う前までは、現実世界で肉親を除いてただ1人の心を許せる存在だった。……それは、こんな事件が起きても、隼人の言葉を訊いても、心の何処かに残っていた。だけど、その僅かな光。いや 光と言えるかどうか判らない程の僅かなモノ、それが完全に闇へと包まれた。

 恭二の精神は、誌乃と同一の世界にあるものではなかった。自分、学校で孤立をしていた自分に声を掛けた理由。それが、あの事件(・・・・)があったから、だった。悪夢の象徴とも呼べる、全てが変わってしまった。始まりの事件だと言うのに。それを憧れだと言う。……それが理由に淡い好意の理由
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