暁 〜小説投稿サイト〜
DIGIMONSTORY CYBERSLEUTH 〜我が身は誰かの為に〜
Chapter2「父を探して 山科悠子の依頼」
Story10:依頼完了 残る謎
[3/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ころだ」


 いや、そう言った理由も俺は気になりますけど…


「そして、気になることはもう一つ…」

「え…? まだ何か?」

「…ま、それは置いておくとしよう。依頼人は、また事務所を訪れると言っていた。お楽しみの到着を、珈琲でも啜りながら待とうじゃないか」


 …げ、コーヒー…それは勘弁して欲しいです。やるなら俺が作りますから。
 というか、もう一つの気になることって…先程の山科さんの反応のことだろうか?


「さぁ、事務所へ戻ろう」

「は、はい…」


 俺、まさ死にたくないな…
























「…どうも」


 静かにそう言う彼女は、ここを去る時に言った通りに事務所に戻ってきた。


「来たか…予想していたより随分早い。やはり優秀な依頼人のようだ。どうぞ、ソファへ。調査は終了しました、結果を報告しましょう」

「………!!」


 暮海さんの口から聞いた言葉に、彼女は表情を険しくする。
 そしてそんな表情のまま、暮海さんに言われた通り依頼人用のソファに座り、暮海さんから今回の調査についての話を聞き始めた。










「―――…と、以上が今回の調査結果です」

「………………」

「アカウント狩りには、ザクソンというハッカーチームが絡んでいました」

「……! ザクソンが…?」


 暮海さんの報告を黙って聞いていた彼女が、ザクソンの名前に初めて大きな驚きを見せた。


「山科誠は行方不明でも何でもなく、普通に生活しています。“娘”のチカと妻と三人、仲睦まじく」

「………」


 そこで暮海さん、あからさまに調査で明らかになった矛盾を提示する。
 彼女はそれに対し、押し黙るだけで特にこれと言った反応は見せなかった。


「…では、今回の調査はこれで終了とさせていただくが、よろしいか?」

「……………はい、問題ありません…ありがとうございました」


 問題ない? 今しがた調査で露わになった矛盾点を言われたのに?


「…君は一体―――“誰”なんですか?」

「………………、“また”来ます」


 そう言うと、彼女は俺の質問に答えることなく、踵を返しそのまま去ろうとする。


「いつでもどうぞ、次は是非本名でいらしてください。―――『神代(かみしろ)悠子』さん?」

「え…!?」

「ッ! …………」


 その後ろ姿へ投げかけられる言葉、それは彼女―――“神代悠子”さんの足を止めた。
 しかし少し沈黙が過ぎるとすぐ、彼女は歩き出し事務所から出ていった。


「…く、暮
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ