第一章
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三文の得
グレッグ=ホーナーはその日たまたまだった、早くに起きた。
目覚まし時計を見ると五時半だ、その時間を見てもう一度寝ようと思ったが。
どうも目が冴えていてその気分にはなれなかった、それでだった。
一階まで降りてリビングで朝食を食べた。食パンを二枚出してその間に冷蔵庫の中のハムやチーズ、それにピクルスを入れてだった。
それを食べた、二枚では足りないのでもう二枚出してまた同じ様にハムやチーズを挟んで食べた。冷蔵庫の中の野菜ジュースも飲んだ。
そうしているとリビングに母のメリーが来た、メリーは息子の姿を見て言った。
「今日は早いわね」
「まあね」
グレッグはジュースを飲み終えてから母に応えた。
「目が冴えたんだよ」
「学校はまだでしょ」
「ああ、まだだよ」
そうだとだ、グレッグは母に答えた。
「それはまだだよ」
「そうよね」
「学校に行くまで時間があるし」
グレッグは考える顔で母に述べた。
「どうしようかな」
「じゃあランニング行ってきたら?」
何となくだ、母は息子に言った。
「あんたいつも夕方に走ってるけれど」
「それか夜にね」
学校の後のハンバーガーショップでのアルバイトがない時か終わって夕食を食べてからの日課にしているのだ、ダイエットの為である。
「走ってるけれど」
「今日はね」
「早く起きたから」
「走ってきたら?」
メリーはこくグレッグに勧めた。自分ではなく父に似たはっきりとした目に長い睫毛、薄褐色の肌の顔を見つつ。髪は細く縮れている。どれもヒスパニック、キューバ系である父のホセの血である。
「そうしたらいいじゃない」
「それもそうだね」
少し考えてからだ、彼は母に答えた。
「それじゃあね」
「今から走ってくるのね」
「そうするよ、着替えてね」
正確に言うと今のシャツとボクサーパンツという下着姿の上にジャージを着てだ。
「言って来るよ」
「それで走った後はね」
「うん、シャワーを浴びてね」
「学校に行きなさい」
「そうしてくるよ」
一家が住んでいるサバナの郊外にあるハイスクールにだ。
「シャワーも浴びてね」
「じゃあね」
「そうしてくるよ」
こうしてだった、グレッグはジャージを着てだった。準備体操をしてそのうえで外にランニングに出た。そのランニングのコースは変えていなかった。
しかしだ、朝走るそのコースは。
夕方、夜に走る時と違ってだ、静かで車も人もいない。しかも涼しく虫も少ない。
そのサバナの街を彼は快適に走った、夕方や朝よりいい感じだった。
走る速さもいつもより速い感じだった、朝から仕事に行く人を見つつ走っていて彼は気持ちいいものさえ感じていた。
その時にだ、横の交差
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