暁 〜小説投稿サイト〜
姉ちゃんは艦娘
4.姉ちゃんはヒーロー
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だった。

「でも比叡さん、スポーツ万能だったんだね。僕はスポーツはさっぱりだ」
「んー。いつもは戦ってたからね。敵の砲弾に比べたら、あの程度のボールなんていくらでも跳ね返せるよ!!」

 比叡さんはちょくちょく戦いの話をしてくれるんだけど、ホントにこの人、何をやってた人なんだろう……?

「おーい比叡ちゃん! こっち来ておれたちと肉食おうぜ肉!!」
「はーい! 少々お待ちください!! じゃあシュウくん、あとでね!!」

 さすがに今日のMVPなだけあって、比叡さんは引っ張りだこで、バーベキュー大会中、ずっといろんな人に声をかけられていた。比叡さんという紅一点が入ったこと、そしてその比叡さんがとても明るく人当たりもいいためか、テレタビーズのみんなは上機嫌だ。

 一方の比叡さんも、今日は心持ち元気に見えた。いや、普段から元気といえば元気なのだが、今日はそれに輪をかけてはっちゃけているというか……今まで自分にできる事が少なくて、ちょっと自信を失ってるようにも見えた比叡さん。今日こうやって、自分が出来る事でみんなと溶け込めたことが、比叡さんにとってうれしかったんじゃないかな。

「あ、シュウくんシュウくん! ちょっとこっち来て!!」

 比叡さんのことを考えてたら、急にその比叡さんに呼ばれた。比叡さんと一緒にいるのは、テレタビーズとチョモランマーズの選手の人たちだ。

「こちら、橋立シュウくんです!! 私がお世話になってる人です!!」

 比叡さんはそう言って、いつもの『押忍!』のポーズをしている。僕の紹介の時にまでそのポーズをするとは思わなかったよ……まさか僕の背後に戦艦の雄姿は映ってないよな? 念のため後ろを見て確認してみたが、戦艦も万国旗も見えないことに安心した。

「へ、へぇえ〜……お世話になってる人ねぇ〜……」

 比叡さんのセリフを聞いて、一人明らかに機嫌が変わった男の人がいた。チョモランマーズのユニフォームに身を包むこの男性は見覚えがある。ピッチャー交代のその瞬間まで比叡さんに散々ホームランを食らっていた、あの敏腕先発ピッチャーだ。彼はなんだか引きつった笑顔で僕のことを見てくる。比叡さんを狙っているであろうことが、男の直感で分かった。

「きみ、歳いくつなの?」
「15ですよ」
「へぇえ〜。んじゃ中学生かぁ〜」

 ピッチャーさんはそういい、ニヤッとしながら僕を見た。なんでだ。今ちょっとムカッとしたぞ。

「彼女とはどんな関係なの?」
「姉弟みたいなもんです」
「結構歳が離れてるねぇ〜」

 比叡さんが、僕からちょっと離れたところで『私とシュウくんが姉弟……シュウくんが弟……ウヒヒ……』となにやらキモい笑みを浮かべている。気が散る邪魔しないで今僕は急がしい。

「まぁ姉弟み
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