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姉ちゃんは艦娘
3.姉ちゃんは残念……?
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き実力を秘めた魔性の女だ。

「ご注文、チーズバーガー一つで130円です……しょぼーん」

クソッ……これは作戦だ絶対。僕に罪悪感を植え付けてポテトやらシェイクやらのサイドメニューを買わせるための作戦なんだッ……負けるなシュウ! 比叡さんのしょぼん攻撃に負けるなッ!!

「じゃあチーズバーガー作ってくるから、お金準備して待っててね!!」

130円130円っと……ん? なんか今穏やかではないセリフを聞いた気がするぞ?

「ちょっと待って比叡さん! 比叡さんが作るの?!!」

僕が比叡さんに問いただそうとした時には、すでに比叡さんの姿はレジカウンターにはなく、キッチンの奥の方に消えていたようだ。この店はキッチンがカウンターからは見えない作りになっている。

「バカな……比叡さんがチェーン店のメニューを作るというのかッ……?!」

 直後、キッチンの奥から悲鳴と怒号が聞こえてきた。

「バカッ!! 違うわよッ! それはパティにかけちゃダメッ!!」
「す、すみません店長?!!」
「さっき教えたばっかりなのに出来ないだなんて、そんな子はクビよッ!!」

あらら……店長ずいぶん厳しいな。ちなみにここの店長は筋骨隆々な男だ。いつも上着のワイシャツがはちきれんばかりの筋肉を誇示している。『ケツを店長に向けるな』が、僕達の合言葉だ。やたら厳しいのは女性が嫌いだからか?

「そ、そんな! お願いします店長! クビだけは勘弁してください……!!」
「アッ!! ちょっと待って!! やめてアタシの髪の毛引っ張らないでッ!! アッ!!」

比叡さんが何をやっているのかが非常に気になる。相手に謝りながら相手の髪の毛を引っ張るって、どんなシチュエーションだ?

「ひぇえええ!! て、店長の髪の毛がッ?!! はッ……ハズれ……?!!」
「イヤァァアアア!! カツラがぁあああ!!!」
「ひぇええええ!!! ごめんなさいぃいい??!!!」

 次の瞬間、左手に何か黒い物体…―後にそれは、店長のカツラと判明した―…を握りしめた比叡さんと、その比叡さんを追いかける店長がキッチンから走りながら出てきた。その光景はなんだか小さい頃に見たトムとジェリーのようだ。本家と違うところは、ジェリー役の比叡さんの顔が本当に切羽詰まってる感じで、泣きながら比叡さんを追いかけるトム役の店長の頭が禿げてることぐらいだ。

「な、何やってんの比叡さん?!!」
「に、逃げようシュウくん!」
「ヤメテェエエエ!! せめてカツラは置いて行ってぇええ!!」

比叡さんは僕の手を引き、ぼくはそんな比叡さんに引きずられる形で、逃げるように店を出た。店長のカツラは……どうやら僕が気付かないうちに比叡さんがお店に投げ捨ててきたようだ。

 そう。比叡さんは
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