2.姉ちゃんはよく食べた
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と、見つかってはいけないものが見つかってしまう……
「いつシュウのタガが外れてあんなことやこんなことを……思春期の男子ってのは……」
そういうことを本人の前で言うのはやめてくれ父さん……というか自分の息子が信用出来ないのか。
「あら大丈夫よ。だってあなたの息子だし」
「バッ……シュウの前でその話はやめるンだッ!!」
父さんには秘密だが、僕は知っている。父さんがはじめて母さんと手を繋いだのは、実に36回目のデートの時だったということを。
「しかもシュウがおれそっくりだとしたらますますダメじゃないかッ!!」
父さんと母さんは高校の先輩後輩の間柄で、母さんの方が年上だ。告白は父さんからだと聞いた。でも父さん、残念ながら僕の好みは年下だ。
「そんなわけで比叡ちゃん」
「はいッ!」
「比叡ちゃんの家がどこにあるか分かるまで、うちにいてもいいわよ」
「ホントに……よろしいんですか?」
「もちろん、比叡ちゃんがそれでよければだけど」
母さんにそう言われ、比叡さんは二つ返事でその提案に従った。こうして僕達家族と、ちょっと変な女の人、比叡さんの共同生活は始まった。
「あ、でもそんな度胸はないだろうけど、シュウもこう見えて男だからね。気をつけるのよ」
どうして僕の両親は、息子のことが信用できないのだろうか……つーかそういう話題を本人の前で話すのはやめてくれ夫婦揃って……
「大丈夫です! 私はカンムスですから、戦い方も知ってます!! 負けません! 気合! 入れて!! お相手します!!!」
比叡さんはシャドーボクシングをしながらそう答えていた。うん。まぁ間違いではないんだけどね……でも比叡さん、勘違いしてるよね確実に……“相手”ってのは、バトルのことじゃないんだよ……。
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