消失
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る要素は揃っているからエレン達なら十分守り切れるだろう。
「とうとうラタトスクを倒したんですね!」
「まだ浄化が終わっていないがな。それで今からしようと思っているんだ」
「今からですか……これで……最後なんですね」
半分泣きそうになっているユーリだが、俺は彼女の頭に手を置いて前後左右に優しく動かす。安心させるように、そして未来に顔を向けられるように、俺はユーリの頭を慈愛の心を込めて撫でる。するとユーリはふにゃあっと嬉しそうに笑ってくれた。
「いいなぁ……」
そうしていたら、ふと視線を感じた。そちらに目を向けると、指をくわえてユーリを羨ましそうに見つめるフェイトの姿があった。傍にいたプレシアとアルフが彼女の背中を軽く押し、おどおどと近づいてきたフェイトにも、俺は彼女の心が暖かくなるように撫でた。
「お兄ちゃん……」
「知ってるか、フェイト? おまえの名前は“運命”という意味なんだ。おまえがこの世に生を受けて、そして俺達がめぐり会えたのは、もしかしたら運命だったのかもしれないな」
「そうなんだ……私もこの運命は好きだよ。お兄ちゃんと出会えて、本当に良かった……ほんとに……よかったよ……!」
段々涙声になってくるフェイトに、俺は少しだけ微笑む。すると彼女も涙をこらえながらしっかり笑ってくれた。後は……、
「サバタ兄ちゃん? 皆も何で……」
「はやて、おまえは生きろ。辛くても生きて……未来に命を繋いでいくんだ」
「……? まあ、私もそのつもりやけど……」
「それでいい、おまえにはおまえの良い所がある。それを見失わず、自分の心を育てていけ。それが未来に恵みの風を吹かしてくれる」
「……うん」
「あ、でも勉強はちゃんとしろよ? 過去を語り伝えるのは、未来を創るのと同じなのだからな……って、おい。なぜアリシアもフェイトも顔を逸らす?」
「い、いやぁ〜その〜、ねぇ? 私達、ファーヴニルの封印方法を探すのに一生懸命だったから、実は勉強の方には全然手を付けてなかったんだよね……」
「う、うん……。あ、でも時々は教科書とかに目を通してたよ? でも全然時間が無くて……」
「だからちょっと堪忍してぇや、サバタ兄ちゃん。未来を取り戻すために必要な事やったんやから……なぁ?」
「………………はぁ〜〜〜〜〜。まぁ確かに仕方ないが、あまり褒められた事ではない。今度から気を付けろよ?」
『は〜い』
聞いてると何だか気が抜ける返事だな。ま、そっちの方がこいつららしいとも言える。ともかくパイルドライバーの準備が完了した事で、巻き込まれない様に彼女達には離れてもらう。パイルドライブ中、ラタトスクは異次元空間から武器を飛ばして来るだろうから、ある程度離れていないと流れ弾に
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