消失
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られない。答えられる訳が無い……!」
「答えられないって……知っとるなら隠さんで教えてよ。なぁ? 何度も……何度も訊いとるやろ!? 教えてよ、サバタ兄ちゃんはどこにいるんや!? なぁってば!? アリシアちゃんも何か言ってよ!? プレシアさんも、何か考えがあるんなら話してくださいよ!?」
「はやて……ごめんね、私もフェイトと同じく教えられないんだ」
「ごめんなさい、事情があって私からも言えないわ」
「どうして……何で教えてくれへんの!? 皆は一体何を知っとるの!? どうしても知りたいのに、私には何で隠すんや!?」
「ふん……小鴉、貴様どうしても知りたいか?」
「王様……? うん、知りたい。お願いやから……話して」
「ならば教えてやろう。教主殿は……サバタはもうこの世にいない。彼の命は既に、天へ召されたのだ」
「…………え? この世にいないって……い、いくら何でも冗談が過ぎるで? 王様、それってサバタ兄ちゃんが死んだって事やろ? ……嫌や、信じない、あのサバタ兄ちゃんが死ぬなんて考えられへん! だって……」
「いくら否定しても無駄だ……これは変えようの無い真実なのだ。これまでの戦いでダークマターを使ってきた代償で、サバタの命は既に風前の灯火だった。そしてたった今、そのリミットが訪れたのだ」
「う……嘘や。嘘や……! 嘘や! 嘘や!! 嘘やって言ってよ!! 王様ァ!!!!」
「受け入れろ………サバタはもういない! もう死んだのだ!!」
「嘘やぁああああああああ!!!!!!!」
ディアーチェから否定のしようがない真実を聞いて、はやては狂乱したように泣き叫ぶ。サバタとの別れはディアーチェだって辛いのに、こんな苦しい役割を背負わせてしまった事に私達も罪悪感を抱く。だけど……実は彼女が自らやると言ったんだ。“表の真実”を告げる役目は、自分が背負うって。最終的に闇の書がリミットを設けたという“裏の真実”は伝えず、ダークマターで既に寿命が削られていたという……はやてに責任を抱かせないように“表の真実”だけを伝える。どちらも正しいが故に、裏にもう一つの真実が覆い隠されている。サバタさんは命が尽きる最期まで……いや、尽きた後の未来も含めてはやての心を案じていた。だから私達は彼の尊い想いを尊重して……“表の真実”のみを伝える。“裏の真実”は私達の胸の中に秘めて、外部には絶対に漏らさない事を決意する。
サバタさんは愛した家族だからこそ、はやてに世界一優しい嘘をついた。その嘘をバラそうという気は、私達の誰一人として微塵も起きなかった。
「……フェイトちゃん達は知ってたんか? さっきまで黙ってたのは、この事を隠してたからなんか!?」
「………。ごめん……!」
「まさか知らなかったの……私
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