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リリなのinボクらの太陽サーガ
消失
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なたの巻いた“種”があなたの思った通りに芽吹くかどうか、わたくしは地獄で眺める事にします。あと、私もタダでは浄化されてやりませんからね。……あなたとは様々な因縁がありましたが、これでもう二度と会うことは無いでしょう……! では、わたくしはお先に舞台を退場させてもらいます……結果こそ敗北ではありましたが、最後まで楽しませてもらいましたよ! さらばです、サバタ! クククク……フッハッハッハ!!!」

最後の最後まで腹の立つ笑い声を上げながら、ラタトスクの姿がおぼろげになっていき、ついに完全消滅した。この戦いを見ていたはやて達から喜びの声が上がるが、同時に……全ての力を使い果たした事で、俺の終わりが始まった。

「サバタ兄ちゃん!!」

戦いが終わった事で背中の方から駆け寄ってきているであろう、はやての声が聞こえてくる。徐に暗黒剣を地面に突き刺した俺は彼女達の方を振り向き、慣れない微笑みを浮かべて、最期に一言だけ告げる……。

「ありがとう」

俺は……おまえ達に会えて良かった。おまえ達のおかげで、再び幸せを見つけられた。……それだけを言いたかった。

――――じゃあな。

はやての手が俺に届く直前、俺の身体は淡い白色の粒子となって消滅し、天へと消え去った……。

・・・・・・・・・・・・・・・・

〜〜Side of シャロン〜〜

「え……? にい……ちゃん?」

サバタさんが……寿命を迎えた。彼だった粒子の光が天へ消えていくのを眼で追って、私は自然と涙がこぼれた。

この戦いの前に心構えをしていたとはいえ、その事実を目の当たりにしたら、やはり激しい喪失感を抱いた。私達以外にも何人か彼の真実に気付いていた子もいるようだけど、その子達も哀しみを抑えきれずに涙を流している。

「さ、サバタ兄ちゃん? ねぇ、どこにおるん? いじわるせんと出て来てよ? ファーヴニルは再び封印した、ラタトスクも浄化した、せやから戦いはもう全部終わったんや。かくれんぼなら後で一緒にやるから、今は一緒に勝利を喜ぼう? 指名手配の件なら、大丈夫。今なら管理局の人達も誤解やってわかってくれるはずや。だから……姿を見せてよ……! 私の傍から、いなくならないでよ……!!」

「はやて……」

茶髪の少女がいなくなった彼を探し求めるように虚空へ手を伸ばし、天へ声をかけ続けている。その姿はまるで迷子の子供みたいで……見ていて辛かった。大人しそうな金髪の少女が彼女の名を呼ぶと、はやてと呼ばれたその少女は半ばパニックを起こしたような表情で振り返る。

「ねぇ、フェイトちゃん……サバタ兄ちゃんはどこに行ったん? 急に消えちゃって、私じゃわからないんよ。だから……教えて、サバタ兄ちゃんはどこへ消えたんや……?」

「……ごめん、私には……答え
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