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英雄伝説〜西風の絶剣〜
第12話 守りたいもの
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戻っていい、次!」


 指示を受けた僕は直にアリーナから出て行く、そして二階の部屋に戻ったが……


「「「……………」」」


 子供達は皆化け物を見るような目で僕を見ていた。まあそりゃあそうなるよね、躊躇無く人を殺したんだ、彼らからすれば僕も殺人鬼にしか見えないんだろう。


「ふふッ、お疲れ様、リィン♪」


 ……唯一人を除いてだけど。


「……レン、君は何も思わないのか?」
「思うって…何が?」
「いや、僕は人を殺したんだけど……」
「そんなのルール何だから仕方ないじゃない、それに奴等だって今まで散々人を殺してきたんだから因果応報って奴よ」
「……君は本当に変わってるな」
「貴方も相当変わってると思うけど」


 本当に変な子だ、怯える所かむしろ肯定してくれるなんてな。でも何だろう、別に何と思われようといいのに少しだけ心が軽くなったような気がする。


「あら、ジッと私を見つめてどうしたのかしら?」
「い、いや、何でもないよ」


 いけない、知らない内にレンを見つめていたようだ。


「次、実験体21番!」
「あら、私の番だわ」


 どうやらレンの番が来たようだ、しかし大丈夫なのか。あんな小さな女の子がまともに戦えるとは思わないが……


「そんな目をしてどうしたの、もしかして私の心配でもしてくれたの?」
「……僕は別に心配なんか…」
「そんなこと言っても説得力ないわよ。貴方直に顔に出るんだもの、ふふッ、可愛い♪」
「……うッ」


 ……この子は本当に僕の調子を狂わすよな。


「でも大丈夫よ、私は『強い』から」


 レンはそういってアリーナに向かった。


「お、ようやく女が来たか……」


 レンの相手はジャック・ザ・リッパー…先ほどから何人もの子供を血祭りにしてきた殺人鬼だ。レンを見た瞬間見るもおぞましい笑みを浮かべた。


「お相手宜しくお願いするわね」


 だがレンはそんな笑みを見ても顔色ひとつ変えないで自分の身丈より大きい鎌を構えた。


「それでは始め!」


 合図と共にジャック・ザ・リッパーがレンに向かっていく。


「切り刻んでやる!」


 ジャック・ザ・リッパーは大型のナイフを横なぎに振るいレンに襲い掛かる。


「……♪」


 だがレンはその攻撃を少し体をそらす程の動きで簡単に避けた。ジャック・ザ・リッパーが更に激しく攻めていくがレンはかわしていく。


「くッ、さっさと斬られろ!」


 ジャック・ザ・リッパーは自分の攻撃を悠々と避けるレンに痺れを切らし大振りの攻撃を放つ。


 ザシュ…


「……は?」


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