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私の宝物 超能力 第二話
私の宝物 超能力 第二話
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[9] 最初
子に言った。

 本当は言うつもりじゃなかったが、あまりにも途方もない事を言うので冗談のつもりでムッとなり暴言を吐いた。
 「ほう、それは面白い。もし何も起きらなかったらストリップでもしてくれるのかい。それが嫌なら御免なさいと言って帰りなさい。悪い事は言わないから」
 それと同時に幸男の仲間が腹を抱えて大笑いした。
 幸男は仕方なく車に乗り込むのを止め時間潰しに友人と談笑し始めた。
 「幸男様、仕方ありませんね。長く路上駐車出来ないので私、その辺を一周して戻って参ります」
 「ああ、悪いね。そうして下さい」
 運転手も笑いながら停めてある車に戻った。やがて幸男は暗子の顔を覗き笑いながら言う。
 「よし決まった! 余裕をみて、じゃあ二十分にしょう。いまさら逃げないでよ」
 「ちょっと待って! 運転手さんは何処へ行ったの? 運転手さんが危ないわ」
 「おいおい、今度は運転手の心配してくれるのかい。ハッハハ彼はA級ライセンスを持っているんだ。事故なんて100%考えられんよ」
 「技術の問題じゃないの、もう遅いわ。私にはどうする事も出来ないの……」

 暗子は、そう言いながら震えていた。
 幸男と仲間達は暗子を見て気味が悪がって仲間内で囁いた。
 「幸男、とんでもない女に引っ掛かったんじゃないのか」
 そう言いながらも、その仲間達から笑顔が消えて、冷めた眼で暗子を見た。
 それでも幸男は暗子に最後の忠告を告げた。
 「ねぇ君、悪い事を言わないから、早く帰りなさい。みんなに笑われるだけだよ」
 「貴方達は何も分かっていない……信じろと言っても無理もないけどね。もう遅いわ。私には危険を察知しても誰も信じてくれない。もうどうする事も出来ないもの」 

 もう幸男も仲間も首を振るしかなかった。
 すると暗子は耳を塞いで悲鳴をあげた。
 「嗚呼!! 爆発する。逃げて! 逃げて」
 数秒後、表通りの方からもの凄い爆発音と地響きの振動が伝わりビルの上まで炎が燃え上がるのが見えた。
 「なっなんだ!? 何が起きたんだ」
 幸男と仲間達は表通りと暗子を見比べた。
 「だから信じてと言ったのに……私は危険が予知出来るの、でも止める事は出来ない」
 呆然と立ち尽くし幸男と仲間達。彼女はエスパー? 予知能力者なのか?
 それから数分後の事。表の通りからサイレンの音がけたたましく鳴り響いた。
 それもかなりの数のサイレンの音が街中に響き渡る。

つづく
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