第一物語・前半-未来会議編-
第六章 告白前者
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を転用したものですわ』
ネフィアが映る映画面の横に、もう一つの映画面が表示される。
ネフィアが表示したものだろう。
それに戦艦を簡略化したものと、戦艦の前に一つの円が描かれる。
『縦型車輪陣は移動する戦艦に絶え間なく攻撃を与え、撃沈させるものですの』
円の外側に左矢印が表れ、左に回り、円から砲撃を現す線が戦艦に向かう。
そして、
『これを監視用に転用したものが横型車輪陣ですの』
「横型車輪陣の最大の利点は、少数でも多数でも艦さえあれば広範囲を監視出来ることだ」
足を組み、地に座るルヴォルフは言う。
「日来は横十キロ強、縦八キロある。これを六艦で絶え間なく監視続けるなら、必然と横型車輪陣が選ばれる」
『そういうことですわ。分かりまして?』
「ようは小数で効率良く監視出来るからですよね」
『理解して頂きよかったですわ』
「でもさああ?」
ネフィアの声の後に、もう一つの声が聞こえた。
声の正体は、コンテナの上にいるテイルだ。
テイルは手をコンテナに付け、足をばたつかせていた。
「欠点もあるんだよね? そこ教えてよ」
『そうですわね。言うなれば、欠点は燃料の問題ですわね』
「それって一般的な問題じゃん」
「妹よ、いいか? 横型車輪陣は縦型車輪陣を監視用に転用したものと、ネフィアが言っていただろう?」
レーテルの問いを、兄であるグレイが続きを答える。
「制圧戦闘を主とする戦艦はそれ自体を止めることが困難。欠点は最小限に抑える必要がある」
『グレイの言う通りそうですの。横型車輪陣は等間隔で一定の速度で回り続ければそれでいいんですの。絶え間なく戦艦に攻撃を当てるのが縦型、絶え間なく監視を続けるのが横型ですのよ?』
「なにそれ、最強じゃん」
実際、欠点という欠点は無い。燃料の問題はあるが、それは当然のことだ。
戦艦攻略において、攻略が失敗すれば後は終わりを待つだけだ。だからこそ簡単かつ、持続的にことを運ぶ必要がある。
それゆえ、縦型車輪陣を転用した横型車輪陣は強力なのだ。
話を聞きながら、皆は空に円を描く戦闘艦を見る。ついでというようにネフィアは言う、
『今はまだ優しいものですわ。霊憑山にいる社交院の観察から、黄森からの増援がここへ向かっていると報告がありましたわ』
「日来と奥州四圏を遮るように聳える霊憑山から見えるってことは海にもう出たのかあ。面倒臭くなってきなあ、おい」
セーランは、左手で持った湯飲みを口に運ぶ。
ぷはあ、と湯飲みに入っていた茶を飲み干した。
空になった湯飲みを灰色の地に置き、よいしょと言い立ち上がる。
「告白の時間ギリギリぐらいに着くかな。やってやるぜ、待ってろ未来嫁!」
「あのセーラン君、指を辰ノ大花の戦闘艦に向けないでください。思い違いで砲撃放
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