第一物語・前半-未来会議編-
第六章 告白前者
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、右へ行く。後はその繰り返しだ。
コンクリートの地面を踏む音を聴きつつも、他の皆は話を始めた。
『あの二人は置いといて、告白の準備は進みまして?』
「順調に進んでいますよ」
「ロロアは小物を運ばせるのにとても役に立っていた」
「ロロ犬の名は伊達じゃ御座らぬな」
「それフリだな? 俺に委伊達だけに、て言わせようとしてんだな?」
「話している暇などないぞ!」
ルヴォルフはセーランが身を隠すコンテナを、両手で抱くように掴み上げる。
身を隠す場所を奪われたセーランは、右往左往して逃げ場所を探す。
そこに近付く足音が聴こえる。
足音を鳴らす正体は、
「皆さーん、何処いるんですか――?」
「あれ、美兎さんですね」
「もう三時のおやつの時間か」
「あっ、そこにいたんですねー」
小走りでこちらに近付く美兎の手には、菓子類が乗ったお盆が握られていた。
膝まで届く長い髪を左右に揺らし、近付く美兎はあるものを見た。
「きゃ――っ! ルヴォルフさん何をやってるんですか!?」
皆に近付いた美兎は、セーランにコンテナを放り投げるように持つルヴォルフに驚いた。
気が付き、二人は美兎に顔を向けた。
「美兎か。今、こいつをこらしめようとしているところだ」
「だからってコンテナを投げたら、セーラン君がブシャってなってしまいますよ! ブシャっと!」
「擬音語なのがすげえ怖いんだけど」
「……ふ、まあ、今回は許しておこう。小腹が空いたからな」
そう言い、ルヴォルフはコンテナを地に置く。
音が鈍く響き、小さくコンクリートが振動する。
その後、美兎の周りに皆が集まり休憩を始めた。
●
西二番貿易区域には働く大人達がよく見える。
日が西よりに移動するなか、貿易区域の一角で皆は休憩に入った。
「準備はゆっくりやっても後二時間くらいで済みそうだな」
「確か、夜七時に告白開始ですっけ?」
「映画面|《モニター》を使った告白だったね。フラれたらいい笑い者だよ」
「兄ちゃん、告る前に失敗の話はしないでしょ、普通は」
持ってきた菓子類をつまみながら、集った者同士で会話を始める。
「ロロア、レーテル、グレイ、空子、トオキダニ、ルヴォルフ、魅鷺の七人がお手伝いをしていたんですね。ネフィアさんは何用で?」
『あ、ルヴォルフのことがあったので忘れていましたわ』
美兎の左側。映画面に映るネフィアは、何かを思い出したように目を見開いた。
『監視を行っている戦闘艦を観察していたところ、どうやら横型車輪陣用い監視をしていましたわ』
「すみません。横型車輪陣って、なんです?」
申し訳なさそうに美兎は問い、首を傾けた。
問いにネフィアは答える。
『横型車輪陣とは、戦艦攻略作戦において最もメジャーな縦型車輪陣
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