第一物語・前半-未来会議編-
第六章 告白前者
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外交区域学勢領の正門に、幾人かの人影が見える。
そこにいる皆は空を見上げ、近付いて来る八艦の戦闘艦を見た。
「黄森のワイバーン級小型戦闘艦・輝光ね。騎神を保有していない黄森にとっては特攻隊の中心にもなるという」
「八艦か。日来を監視するにはまだ不十分だが、抑止力はあるな」
葉木原は空を見る。
大気を震わせ、艦が自分達の頭上を通る。
騒音と風を導いて、八艦の内二艦は西二番貿易区域に停泊している辰ノ大花の戦闘艦の護衛に向かった。
残りの六艦は、日来の上空を航行しながら監視を行う。
全長十キロ強、幅八キロの日来を監視するにはまだ数がいる。
『こちら日来の監視に先行した輝光七番艦。監視するには数が不十分のため、至急増援を求む。繰り返す、数が不十分のため至急増援を求む』
『こちら黄森、日来監視本部。その要求を承認した。
ワイバーン級小型戦闘艦・輝光を四艦、ドレイク級中型戦闘艦・光波を三艦、計七艦を日来に送る』
『了解』
日来の監視をしている輝光七番艦が、本部へと連絡をする。
それを下で見ていたセーランは縄を抜け出すように体をくねらす。
「くそおう、この縄抜けねー!」
「特殊な結び方をしたので、抜け出すのは無理ではないかと」
「セーラン、よくこんな状況でアホ出来るな」
「褒めんなって、照れるだろうが」
「褒めてないって」
騒音が過ぎ去り、ここにいる面々は会話に戻る。
始めに話したのは、宇天覇王会隊長の実之芽だ。
「今更日来の社交院が何と言おうと事態は変わりませんよ」
「全くだ。降伏したら違うかもしれんがな」
「あ、あのう……俺ってもしかして置き去りにされてる? 覇王会で会長なのに?」
「もしかしなくてもそうだよ」
非難の視線を飛豊は受けるが、睨み見返す。
セーランは怯え、丸くなった。
それを見て、葉木原は視線を宇天学勢院の面々に向ける。
「そろそろ戻り願おうか。こちらとて暇じゃないのだからな」
「何か言いたいこともあるだろうけど、学長権限でここは退きますよ」
「学長がそう言うなら構いません。それでは」
実之芽は軽く頭を下げ、その仲間達も頭を下げる。
社交院の者達と飛豊と空子も頭を下げ、返事を返す。
足音が右から鳴り、後ろへと移動する。
その後ろ姿を見たセーランは、体をそちらの方へと移動させる。
「あ、そうそう。そちらの長さあん、今夜七時に騒ぐから戦闘艦から東の方見といてなあ」
「今夜七時にか?」
「奏鳴様、お先に」
実之芽は奏鳴に先に行くよう告げる。
その後、実之芽は体の方向を反対に向けた。
奏鳴は歩きながらも、後ろの様子を気にしている。
それに気付き、セーランは手の代わりに体を振る。
「貴方、なんでここに残るって知っているのかしら」
「
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