第三章
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「その間はな」
「お客さんが来ないから」
「急がなくてもいいさ」
別にというのだ。
「今はな」
「けれどなのね」
「着替えてな」
急がなくてもというのだ。
「それで店に入ってくれよ」
「わかったわ」
「じゃあ俺は店にいるからな」
「お母さんはどうなの?」
「母さんもだよ」
キリにとって母のテリもというのだ。
「お店の中にいるよ」
「そうなのね」
「じゃあ御前もな」
「ええ、お店の中に入るわ」
「そろそろ母さん晩飯の支度があるからな」
「それでよね」
「母さんが仕事の間はな」
「私がお店に入って」
「仕事しような」
「それじゃあね」
「タパ用意してあるからな」
服はというのだ。
「それに着替えろよ」
「わかったわ」
「タパ今日も売れたぞ」
笑ってだ、マケはこうも言った。
「それも四着な」
「かなり売れたわね」
「やっぱりあれが人気あるな」
「観光客の人から」
「ここも来るからな」
その観光客がというのだ。
「泳いだりリゾートにな」
「あと釣りにね」
「だからな」
そうしたことでというのだ。
「観光客の人もいるから。着替えてこい」
「わかったわ」
キラは父の言葉に頷いた、そのうえで。
自分の部屋に入りそのタパを出してだ、これまで着ていた洋服はベッドの上に置いて。
ブラとショーツ、両方共白のそれになった。しかしブラに肩紐はない。
その下着の上にだ、パンノキの樹の内側をはいで水に浸して柔らかくしてから棒で叩いて伸ばしそれをクズで作った糊でつないで乾かした生地で作ったタパを着た。
下に穿く長いスカートは黒だ、くるぶし近くまである。その上に腰巻状のスカートを穿くがそれは蛇模様の黒いベルトで止めた。上は胸のところだけ隠すものでブラをそれで完全に隠した。
腕には羽毛で作った腕輪、肩と肘の間に葉を付けた様な緑がある黒いバンドを付けて頭には上のところに赤い鼻を無数に付けた髪飾りをかぶった。首には貝殻と木の実のそれぞれ三つの首飾りを付けた。
服の模様は独特で炭やウコンで彩色された四角と通路、三角の複雑な幾何学模様に花や葉をあしらった絵が細かく紋様として描かれている。その派手なデザインの服を着てだった。
店に出る、すると既に同じタパを着ている母がいてだった。
キラにだ、こう言って来た。
「じゃあ今からね」
「ええ、私がお店にいてね」
「お母さん晩御飯の支度するわね」
「そうするのね」
「だからお店お願いね」
「わかったわ」
キラは母に頷いた、そしてだった。
そのタパ姿で店の仕事に入った、すると。
そのキラを見てだ、道行く者達は言った。
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