第二章
[8]前話 [2]次話
「あれが凄く人気があって」
「あんたのお店でも売ってて」
「それで人気あるのよね」
「よく売れてるんでしょ」
「ええ、観光客の人が来たら」
ソロモン諸島以外の国からだ、ただしその中には同じポリネシアやミクロネシア、メラネシアから来る者は少ない。
「買ってく人多いわ」
「そうよね」
「あんたのお店では人気商品よね」
「まさに」
「そうよ」
その通りとだ、キリは答えた。
「だから好きか嫌いかっていうとね」
「好きよね」
「御飯のもとだし」
「あんたのお父さんお母さんにとっても」
「そうよ、だからね」
それでというのだ。
「実はデザイン的にも好きだし」
「それでもなのね」
「自分が着るってなると」
「どうにもなのね」
「着心地が好きになれないのよ」
どうにもというのだ。
「それでなの」
「あまりなのね」
「好きじゃない」
「自分が着るには」
「仕方ないけれどね」
やや口をへの字にしての言葉だった。
「これも商売だし」
「商売なら仕方ない」
「着心地を我慢することも」
「そのことも」
「下着は着けてるし」
ブラとショーツ、現代の下着だ。キリのそれは彼女の趣味でいつも白だ。
「それなからいいかしらって思ってるの」
「そうなのね」
「じゃあ今日もなのね」
「学校から帰ったら」
「お店のお仕事するのね」
「タパを着て」
「そうするわ」
これも仕事とだ、キリは言葉の中にそうした言葉を入れてだった。キリはまずは学校での授業を受けて食事もして日常生活を過ごして。
もう一つの日常生活を過ごす為に家に帰った、すると二メートル近くあり丸々と太った褐色の肌の巨漢が彼女を迎えた。
「よお、お帰り」
「只今、お父さん」
キリは彼の父であるマケを見上げて応えた。
「じゃあ今からね」
「ああ、急がなくていいけれどな」
それでもと言う父だった。
「着替えてな」
「それでよね」
「まあ今日はな」
「どんな感じなの?」
「お客さん午前中は多かったけれどな」
それでもというのだ。
「今はな」
「いないのね」
「静かだな、それにな」
空を見上げてだ、マケはこうも言った。
「そろそろな」
「雨ね」
「ああ、スコールが来るな」
それでというのだ。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ