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オズのポリクローム
第十一幕その六
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「全てを読めません、そして書だけを読んでもいないので」
「これだけ蔵書があって学問をされていても」
「はい、私達はまだまだです」
 こうジョージに答えるのでした。
「学問が足りません」
「そうですか」
「それにです」
 さらにお話する天使さんでした。
「二億冊全てはとても読めません」
「そういえば本一冊読むのも」
 それもとです、ジョージも言われて気付きました。
「時間がかかりますね」
「そうです、私達全てが二億冊も読んでいません」
 こうお話するのでした。
「何万か読んでいれば凄いです」
「そんな感じですか」
「はい、ただこうして様々な分野の書を置いていますと」
「あらゆる学問についてですね」
「学ぶことが出来ます」
 それが可能だというのです。
「ですから書を集め続けています」
「じゃあそれぞれの天使さんがですね」
「それぞれの興味のある分野の知識を備えていまっす」
「そういうことですか」
「はい、私は医学です」
 そちらの分野の知識があるというのです。
「ですから天界で何かあれば」
「貴方を頼らせてもらっていいんですね」
「はい」
 はっきりとです、天使さんはジョージに答えました。
「何かあればお話下さい」
「それじゃあ」
 こうしたことをお話してでした、そしてです。
 一行は図書館から博物館にも案内してもらいました、そこには古今の様々なものが置かれていました。その中にはです。 
 沢山の宝石もありました、その宝石を見てです。
 ポリクロームは目を輝かせてです、こう言いました。
「色々な宝石があって」
「奇麗ですね」
「ええ、エメラルドも沢山あるわね」
「御覧になられている通り」
「エメラルドの都から貰ったものなの?」
「そうしたものもあります」
「私の前の。オズマ姫の父君からだね」
 魔法使いもそのエメラルド達を見ながら言います。
「貰ったものだね」
「頂いたものもあります」
 実際にとです、魔法使いにも答えました。
「そうしたものも」
「やはりそうだね」
「そして山の上にあった宝石も拾っています」
「山の中にある宝石は持っていないんですね」
「はい」
 そうだとです、天使さんは神宝に答えました。
「前のノーム王とは仲が悪かったので」
「ラゲドー王とは」
「あの王様はとても悪い王様でした」
 それ故にというのです。
「ですから私達も揉めごとを避けていました」
「あの人は本当に酷い人だったんですね」
「それは皆さんがボームさんが書き残された書にある通りです」
 オズのエメラルドの都やオズのチクタクで出ていた様にです。オズの魔法くらべにおいても書かれています。
「あの様にしていたので」
「天使さん達もですか」
「避けていました」

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