第十一幕その三
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「絨毯もね」
「アラベスクの模様で」
「色々な色で刺繍があって」
えんじ色を基調にしてです、とても奇麗な感じで様々な草や幾何学の模様が白や黒で飾られて金も使われています。
「金の糸までね」
「使ってて」
「それでお部屋の床を敷き詰めてて」
「とても奇麗ね」
「ここがです」
案内役の天使さんも言います。
「私達がダンスの時に使うお部屋です」
「このお部屋で、ですか」
「天使の皆さんはダンスを踊られるんですね」
「そうなんですね」
「はい、そうです」
「そういえば」
ここでジョージが言いました。
「このお城全体がそうですけれど」
「何か」
「このお部屋も天井が高いですね」
「そういえばそうだね」
神宝もジョージの言葉に頷きます。
「このお城全体がね」
「高いよね、天井」
「かなりね」
「それはどうしてなのかな」
カルロスは首を傾げさせます。
「ここまで天井が高い訳は」
「普通で五メートル以上あって」
ナターシャはその目で見た具体的な高さを言いました。
「それこのお部屋は」
「十メートルはあるかしら」
「窓も一階に二つあって」
「高いわよね」
「それはどうしてかしら」
「はい、そのことはです」
何故天井が高いのか、天使さんは五人に答えました。
「私達は天使でして」
「あっ、翼があって」
「お空が飛べて」
「それでなんですね」
「天井も高いんですね」
「そうなんですね」
「はい、ダンスの時もです」
その時もというのです。
「飛ぶこともします」
「じゃあただ絨毯の上で踊るだけじゃなくて」
「上も飛んで、ですか」
「飛ぶんですね」
「そうなんですね」
「そうしています、それに普段も」
廊下や他のお部屋にいる時もというのです。
「飛んで移動することも多いので」
「だからですか」
「お空を飛んで、ですか」
「移動するから」
「だから天井が高いんですね」
「飛んで頭をぶつけない為に」
五人もここまで聞いて納得しました。
「そういうことなんですね」
「天使さん達の翼が理由なんですね」
「だから他のお部屋も天井が高くて」
「このお部屋は特に」
「そうです、中にはです」
天使さんは笑ってこうもお話しました。
「寝ている時に寝相が悪く」
「ベッドから出て、ですね」
「飛んだりしている人もですね」
「おられるんですね」
「そうです」
実際にというのです。
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