第十一幕その二
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「ガラスの金とかはね」
「うん、あちこち細かいところが」
臆病ライオンも気付きました。
「金だね」
「そうだね」
「こうしたところに使ってるんだ」
「そこも面白いね」
「うん、あとね」
「あと?」
「さっき栗鼠君や兎君達が沢山いたけれど」
ここで臆病ライオンは話題を変えてきました、この島に着いた時のことに。
「君食べたいと思わなかったね」
「思ったよ」
腹ペコタイガーは臆病ライオンに正直に答えました。
「実際にね」
「それでも言わなかったんだ」
「うん、言うとね」
それこそというのです。
「皆に悪いと思ってね」
「気を使ったんだ」
「僕の中の良心が許さなかったんだ」
「思っていても口に出すことを」
「今回は特にね」
「それは何よりだね、ただね」
「ただ?」
「君のその行動はとても賢明だったよ」
こう言って親友を褒め称えるのでした。
「いつもみたいに言ってしまえばね」
「それで、だよね」
「うん、気まずい状況になっていたから」
だからだというのです。
「言わなくてよかったよ」
「本当にね」
「食べたいと思っても」
「言わない、それもね」
「大事なことだね」
「思うことは仕方ないにしても」
このことは誰にも止められません、頭の中で思うことは誰にも止めることも妨げることも止められないのです。
しかしです、それでもその考えを言葉に出すことはなのです。
「言ったら駄目だからね」
「言葉が形になるから」
「どうしてもね」
「そうなるよね」
こうお輪するのでした、そして。
そのお話を聞いてです、トトも言いました。
「言わない、そのことも大事だね」
「そうよね、思っていても」
ドロシーも言います。
「言葉に出さないこともね」
「時として大事だよね」
「私もそう思うわ」
「そう、言葉には不思議な力があるんだ」
魔法使いは言葉そのものについてお話しました。
「出せばそれが形になるんだ」
「形はなくても」
「なるから、だから」
それでというのです。
「迂闊に出したらね」
「駄目な時もあるね」
「そうなんだよ」
「だから僕が食べたいって言わなかったことは」
「よかったんだよ」
魔法使いは腹ペコタイガーにもお話しました。
「あの時はね」
「そうだね、じゃあこれからもね」
「時と場合を見て喋るべきだね」
「そうだよ」
まさにというのです。
「これからもね」
「そうする様に心掛けるよ」
腹ペコタイガーも言うのでした、お城の中で。
そのお城の中はとにかく広くて様々なお部屋もありました、一行はそのお部屋の中も色々と案内してもらいましたが。
その中で舞踏の間に入ってです、皆はその部屋に驚きました。
「うわ、鏡が
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