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願いを叶える者(旧リリカルなのは 願いを叶えし者)
危険物の取り扱いに注意
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さてさて、色々と時間が飛んでアドシアード当日。
既に時間は午後を周り、俺はといえば人気のない火薬倉庫でせっせと必要器物を運んでいた。

「やれやれ、どうもキナ臭い雰囲気だな…」

周りから漂う気配と言うか、覚えのない念力を感じてしかたがないのだ。

「――で、そこで何してんですかね?小夜遊先生」

何故か俺の後ろをつけてきている男に声をかけた。

「やや、不快にさせてしまいましたか?」

出てきたのは銀髪に眼鏡をかけた優男。
明らかにその目には狂喜が入り交じっているのがわかる。

「で、何してんですかね」

「いえ、一人で頑張っている君を見つけて微笑ましく見ていただけですよ」

あはは、と笑う小夜遊だが、明らかに別のことを思考していそうだ。

「それで、ストーカーしていた、と。
まさか男色の気があるとは…近寄らないでくれます?」

「なっ、そんなわけないじゃないですか!
僕は別に君を――」

「――襲うつもりで来たんだろ?」

「……どうしてそう思うんですか?」

「無原罪のブラド…アンタの中にいる混ざりものなんだが……正直臭いんだよ。
獣と血の臭いが近くにいるだけで漂ってくる」

小夜遊は先程までへらへらしていた表情を真剣なものに変え、品定めをするような目でオレを見る。

「峰理子の情報ですか…」

「いやいや、俺の推測だよ。
まぁ、ブラドとやらについては峰から聞いていたからな」

「……まぁ、良いでしょう。
私が興味をもったのは貴方の血液です。
聞けばあの教授を圧倒したとのことで…どうしても欲しいのですよ。
貴方のDNAが」

「そういや、峰が言ってたな。
ブラドは有名筋の血を取り込むのが趣味だとかなんとか。
まぁだからと言ってお前にあげるなんてしねぇんだけどな」

「そうですか。
平和的に出来れば見逃してあげようかと思ったのですが…残念ですね」

見逃してやる、ねぇ?

「さて、本来彼を呼び出すには絶望が必要なのですが…その必要は無さそうだ…」

そう言った小夜遊の体からミシミシと音が出始める。

「さぁ…彼が来るぞ…っ!」

ゴリゴリミシミシと音をたて、小夜遊は姿を豹変させた。
狼のような顔に熊のような体格。
全身を黒く染め、正に怪物を思わせる姿。

「ゲババババ…お前が教授の言っていた奴だな?
大人しく俺の餌になるか、抵抗して食われるか…選ばせてやるよ!」

そう言って突貫してくるブラド。
正直に言っても遅い。遅すぎる。
この程度なら峰でも圧倒できる実力しか持っていないと見える。

「ならお前を殺す方向で」

「ほざけぇ!」

ブラドは腕を振りかぶり、一直線に降り下ろす。
難なく回避した俺は地面
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