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私の宝物 超能力
私の宝物 超能力
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[9] 最初
るため、職場の同僚達との付き合いも控えて淋しい毎日を送って来た。暗子は電車を乗り継いで代々木に着いた。もう沢山の人が来ている。
 テレビで見たあの女性シンガーが見られる。まるで夢のようだ。
 チケットを入り口で渡し会場の中に入った。そして間もなくライブが始まる。
まだ開演前だというのにファンは待ちきれず周りの人が立ち上がって一緒に唄っている。暗子もつられて一緒に唄った。

 いまここには貧乏も金持ちもない。気持ちは高ぶり、今だけは全てを忘れて楽しんだ。彼女が登場した瞬間、会場は騒然となり熱気に包まれた。
 コンサートホールはテレビでよく見る有名な女性シンガーソングライターが目の前で観客に手を振る。日本ではトップクラスの人気を誇るだけに会場は大いに盛り上がった。
 ホールは一体化して、赤の他人同士がみんな友達のような雰囲気で声援を送った。暗子はこれまで感じた事がない感動に酔いしれ、時間はあっと言う間に過ぎ去っていった。
 そして最後の曲を歌い終わり幕は閉じた。暗子は夢のような気分で、その時間を過ごした。

つづく
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