第3章 リーザス陥落
第73話 ホッホ峡の決戦U
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。しょーじき、冗談だと思いたかったのに……」
「生憎、だったな」
「ヘルマンの魔物使いの部隊、って訳ね。このルートじゃ、どうやっても 鉢合わせになるわ。……モンスター達を全面に前に出してるから、魔物使いを先に叩くのも難しそう」
志津香も、前の状況を覗き込みながら、呟いた。確かに相手の戦力は高い部類だ。デカントは身体が大きい分、スピードこそでないものの、耐久力、攻撃力は 普通の人間とは比べモノにならない。その巨大棍棒は、一撃でも振り下ろすと、大地を揺るがせ、人間などは 容易く吹き飛ばしてしまうだろう。
だが、それは普通の人間であったら、だ。
「問題ない」
「……ゆーなら そう言う、って思ってたわよ」
「そうだよね…… ユーリさんだもん」
呆れ果てる2人。
当然ながら、この呆れている志津香やマリアの2人も十分普通ではない。
この少数精鋭で。チューリップ3号があるとは言え、中央突破を図る一番目立つ場所での戦場で 戦い、勝ち抜けているのだから。
デカント数体は、ユーリが。そして 後続に待機していた魔物使いや弓兵達は 志津香とマリアがあっさりと撃破した。デカントを完全に宛にしていた部隊だった故か、デカントが屠られた後、瞬く間に壊滅の一途を辿った。
「た、たった……3人、に……」
最後のひとりが倒れた所で、マリアは ため息を吐く。
「ふぅ、おーわりっ。これで 障害物も完全に取り除けたし、3号は問題なく進めるわね〜」
「そうね。……うん。ユーリもちょっと来て」
デカントを倒し、まだ周囲を警戒していたユーリを志津香は呼んだ。
「お疲れ様だ。怪我は無かったか?」
「うん。一番厄介なのをユーリが片付けてくれたし。あの程度だったら、数にもならない」
「ふふ。勇ましいな」
ユーリも合流し、今後の事を話す。
「一度、主力と合流しない? 向こうもどうなってるか、判らないし。戦況を把握しておいてもいいと思う」
「そうだな。こちら側は十分片付いた。……敵戦力が思ってた以上に多い。ホッホ峡も広く、入り組んでいるから、別ルートで 増援が駆けつけてる可能性もある」
「うへ……、これ以上多いのはもう、正直やだな……。皆大丈夫かなぁ?」
「ここより多いかもしれんぞ? チューリップは警戒されているんだ。無策で突っ込めば玉砕は必死。敵も考える頭を持ってるだろう」
配置された兵隊達は殆ど特攻に等しい戦いぶりだったから、見たとおり玉砕した。離れたら砲撃。近づいたら剣と魔法。そして砲撃。無理ゲーと言うヤツなのだ。
……当然、練度の低い者達にとっては、だ。
主力部隊は、各将軍達が熟考を重ねて、リーザスの全色軍を満遍なく投与して編成された部隊だ。リッ
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