第3章 リーザス陥落
第73話 ホッホ峡の決戦U
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、どうする? 3号の露払い、出来るならした方がいいけど……、そろそろ いい感じの連戦だから、消耗具合も考えた方がいいかも。まだ始まったばかりで、長丁場だし……」
「そうね。……暗くて見えづらいし。このまま進んだから 突然の鉢合わせの可能性だってある。魔物使いがいるんだから、デカントに声を出させない様にして、隠れてるのもいるかもしれないし。このまま警戒しつつ、遭遇したら 各個撃破が良いんじゃない? 倒せば楽になるし」
志津香も自分自身の状態と相談した上での判断だ。負けず嫌いな所がある志津香であり、かなりの激情家でもある。熱くなれば、回りを見ない癖もある。……が、今はそれは身を潜めている。
自分をそれ以上に熱くさせる人がいるから。
「オレは志津香の案でいい。……無理はするなよ。敵を視界に捉えたら、攻撃しつつ後退しろ。前はオレが抑える。後ろに抜かせるつもりはないが、警戒はしておいてくれ」
そう、熱くさせるのはユーリなのだ。本当に、色んな意味で……。
志津香は、軽く首を振った後、ユーリに言う。
「……私は 別に負けないわよ。モンスターにだって」
「別に負けるとは思ってないさ。だが、適材適所だ。それに、デカントと力比べする様な展開はごめんだろ?」
「ま、まぁ それは……」
「うひゃ、それ、一抜けたっと」
眉を顰める志津香と、両手を振るマリア。
デカントの大きさで、不意打ちは恐らくは無い。こちらが絶対的に早く気づくとは思うが、それでも100%ではないのも事実だ。そんな場面で 基本的に後衛であるマリアや志津香の危険度は 比ではないのだ。
「……後ろを任せた。マリアのこともな? 頼んだ。志津香」
ユーリは、そう言うと志津香の肩を軽く叩き、そして 前進を開始した。
何度か、こう言う触れ合いはしている。……それでも、中々慣れるモノではない。温もりが肩から身体に。心に広がっていくのだから。
「えっへへ〜 守られるのも悪くないよね? 志津香?」
「っ……。ふん、さっさと続くわよマリア。ランスのバカに双眼鏡渡してるんでしょ? サボった、とか因縁つけられても知らないわよ」
「あぁ、それも有り得そう……。もう、高みの見物決め込んじゃって癖に、そう言う所だけは目ざといんだから」
後ろの高台で うるさくしているであろうランスに文句を言われない様に、と少なからず考えつつ、志津香とマリアは ユーリの後を追いかけていった。
そして、その数分後。漸くシルエットが確認できた敵部隊。……巨人の群れ。不意打ちこそされなかったが、ユーリが言った事が的中した。見える範囲のデカントの数は3体。明らかに、平均的な大きさを超えている。
「うわ……
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