暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第3章 リーザス陥落
第73話 ホッホ峡の決戦U
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澄、さっすがー!」
「工場長、いや マリアさんっ! 遊んでないで、観測手(スポッター)もしてください! 私の目視だけじゃ精度が落ちちゃいますし、装填の速度だって落ちてしまいますっ!!」
「おおっと、そうだったわね! 強すぎるチューリップに改めて感動して、心ホクホクさせてたからさ?」

 そう、チューリップ3号は強力無比。だが、当然ながら、乗りながらの指揮、とっさの判断は難しいからこその、マリアの徒歩随伴だ。そのマリアがこの調子だから、香澄が盛大に文句を言っても仕方が無いだろう。

 だが、それでも仲間達が頼もしすぎるから出来る芸当なのだ。


「く、くそおお!! このまま、殺られてたまるかぁ!! 遠くでは、本当に何もできんっ! ヘルマンの勇気をみせろ! 何もできず死ぬくらいなら、前に出て死ぬ気で戦え!!」

 恐らくは、中隊長の激。
 その激は、戦意すら奪われかけたヘルマン兵達を奮い立たせた。

「……敵ながら天晴、と言うんだろうな。こう言うのを」

 それを訊いて、そして 奮い立った兵士達を見て、ユーリはそう呟く。戦意を失っても良い状況だ。……如何に数の利で優っていたとは言え、如何に見下している部分があるとは言え、

「……しつこいだけよ。こんなの」

 志津香はユーリの言葉に呆れてしまう。さっきから何度も倒している筈なのに、減らない、とさえ思ってしまうのだ。

「ひぇぇぇ〜〜 近づかれすぎると、幾ら無敵のチューリップも厳しくなるわよっ!!」

 マリアは、これまで以上の突進を見て、たじろぎ、慌ててしまうが。

「はぁ、何慌ててるんだよ、マリア」

 ユーリは、そんなマリアに苦言を呈した。
 それは、『まるで、問題ない』と言わんばかりに。……そして、実際に問題ないのだから、言うまでもない事だったのかもしれない。

「……ここから先、1人も通す訳無いだろ」

 ユーリの闘気、いや 殺気とも言える気配が周囲に、……いや ヘルマン達向けられた。

「ふふ、そうね。……マリアは香澄を、チューリップ3号の砲撃に専念して。ここは私達で十分」
「ああ。……ここから先の通行税は高くつく。……死ぬ覚悟が出来た者から、かかってこい」

 志津香、そして ユーリが並んで立つその姿は本当に堂に入っている、と言えるだろう。マリアはからかう、などではなく 本当にそう思った。

「ふふ、任せたわよっ! 香澄! こっちに接近してくる連中は全部無視して構わないわ! 遠くにいる連中を狙うわよ!」
「了解ですっ!!」
「剣と魔法、そして科学の力を思い知りなさーい!!」
「それ、殆ど全部の力ですね」
「弓兵がいないから、全部じゃないですっ! 行くわよっ!」

 軽口を叩く余裕を見せながら、マリア達チュー
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