第3章 リーザス陥落
第73話 ホッホ峡の決戦U
[14/16]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
てそうだった。だからこそ、直感したのだ。そして、その答えは本人から還ってきた。
「ガーネット。アイゼル様の第一使徒が1人だよ」
にやり、と笑う魔人の使徒、ガーネット。
だが、内心はそうでもなかった。明らかに強い男が現れたのだから。
「アイゼル……、あの金髪の魔人……!!?」
「……つまり、サテラの使徒、あのガーディアンクラス。……いや、魔法使いだから、強度は劣るだろう」
ユーリはゆっくりと前へと出た。
「おい。……退屈、してるんだろ? ……オレが遊んでやる。来いよ」
剣を鞘に収め、ユーリは更に一歩、前へと出た。
「ちょ、ゆっ……!」
ユーリは、志津香が止めようとしたその時、手を伸ばして、遮った。遮ったと同時に、指をさす。
そのさされた方を反射的に見た志津香は、悟った。虚ろな眼をした、リーザス兵士。先ほどまで、一緒に戦っていた軍人達が 周囲から現れたから。兵士達はゆっくりと、そして確実に近づいてくているのだ。
「ひえっ、ど、どうしたっていうの??」
「マリア、暗示だわ。洗脳されてる!」
「……サファイア、と言う使徒と同じだろう。……ガーネットも、使えるようだ。アイツは任せて周囲を頼む。彼らは仲間だ。抑えてくれ」
ユーリが言う事もよく判る。確かに相手は強敵だ。今回の戦闘の中で、これまでにない程の。そして更に洗脳兵士達も来た。この状況で使徒1人に人数をかけるのは得策ではない。……洗脳兵士達を殺す訳にもいかないから。
「洗脳の速度なら、アイゼル様にだって、負けないよ。……人間は、情にもろい所がある。それが弱点、ってね。あまり、格好よくない事だけど……君を相手にするんだ。これくらいはさせてよ」
ガーネットは、直感した。……主人であるアイゼルが警戒をしている事には勿論気づいていた。人間界で一体何に警戒をする必要があるのか? と思ったのだが、見てみれば一目瞭然だ。……人間とは思えない得体の知れない殺気。そして、眼前に立って更に判る威圧感。……とても、人の物とは思えないのだ。
ユーリは、息をめいいっぱい吸い込むと同時に、叫んだ。
「全員! あの女に近づくな!! 洗脳される。極力避けろ!」
ゴウッ と言う暴風にも似た声量は、戦っていたまだ、洗脳されていない正気を保っている解放軍達全員の耳に届いた。注目すると、ガーネットの回りにも洗脳兵士達はいるのだ。
「っち。ずっこいね」
洗脳速度に特化しているのだろうか、ある程度近づかなければ発動しない。だからこそ、洗脳、の言葉を訊いて離れた兵士を見て ガーネットは舌打ちをしていた。
「……相手を洗脳する様なやつに言われたくないな。力を持ってるのなら、お前が出ろ。……かかっ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ