第3章 リーザス陥落
第73話 ホッホ峡の決戦U
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ク達の様に 秀でた部分、突出した部分は無いものの、戦力バランスも良く攻撃としても守備としても 遺憾無く戦果を上げる事が出来るであろう。
だが、それでも劣勢に立たされている。
「ちっ……煉獄・斬光閃!」
駆けつけたユーリ達が見たのは、想定よりも随分と多いヘルマン兵の数だった。出会い頭に一撃を入れる。丁度、ヘルマン軍がリーザス解放軍の兵士を斬ろうとした瞬間を狙って。
「ぎゃああ!」
「っ!? 支援感謝します! 前衛、これ以上やつらを好き勝手にさせるな!!」
『おおおおおっっ!!』
リック達の様な一部を除いたとしても、流石の軍人の練度である。数で劣っているのにも関わらず、彼らもヘルマン軍をよく止めていた。
「ち、あっちの比じゃないわね。これじゃっ……! エンジェルカッター!!」
「ぎゃあああっ!?」
志津香も、乱戦の中でも正確に確実に魔法を当て続けている。これだけ入り乱れてしまえば、味方側にも当てかねない。……故に、誤爆を避ける為に、魔法を使う時も注意力、そして精神力も要求されるのだ。
「これじゃ、チューリップ3号の砲撃は は危なくて使いどころが難しいわね」
「ああ。白兵戦だ。チューリップはもしもの時に備えろ、と伝えてくれ」
「ん。りょーかい!」
マリアが香澄に伝令を伝え、その間にユーリ、志津香は 即席で作成されていくしたいを踏み越え、援護をしながら進んでいく。
「志津香。大丈夫か?」
「ええ。まだ全然。ユーリは?」
「問題ない」
「……ふふ。でしょうね」
やはり頼りになる、の一言だ。
パーティを組んだ故に互いの連携を大事にとっている2人。何度かあったやり取りだが、志津香もそうだが それ以上にユーリは本当にブレない。魔人やその使徒、ガーディアン達と戦ったからそうなのか? とも思えるが そうでも無いだろう。
――戦闘経験が成せる業。
いくつもの戦いを経験してきたが故にたどり着ける極地。
「(……ほんと、顔に似合わず……なんだからっ)」
ボソッ、と いや 口に出していない。思っただけだ。
これを言ったらユーリは絶対に怒るから。……今は ふざける様な場面でもないから。
でも、何かを察したのだろうか? 『くっしゅんっ……』っと、ユーリは くしゃみをしていたのだった。
「マリア、あれっ!!」
「っ!?」
離れてみていた志津香が気づいた軍人には見えない紅い魔法使いが突如、空から降りてきた。いや、正確には高台からだろうが、魔法使いとは思えない行動。先陣を切って解放軍に襲いかかったのだ。
「キナクドリン・ペリレン・ジケトピロロピロール……。やっちゃうよっ!
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