暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第207話 帰還
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ったが、それ以上に有り得ない結果を残しているのだ。

 それは、勿論、シノンが先ほど言った対戦時間のこと。

 BoB大会の所要時間か? と思える程の者であり、1対1の戦いにおいて1時間を超える事など前代未聞だった。隠れていたりして、時間をかけた訳じゃないのに、正面から堂々と撃ち合い、或いは斬り合い、限りある筈のHPが下がるのが遅い。それに最終的には、キリトの『降参(リザイン)』での決着だった事もそうだろう。

「全く……。そんな 時間かけてたら 警察も何も無いじゃない。……頭良いのに、時折抜けてるとこ、あるのね。リュウキって」
「ぐむっ……」
「あ、あれ? オレは??」
「あんたは ただのバカ。女のコのフリするのが好きな」
「オレだけ扱いひどっっ!!」

 まさかのシノンの一言に多大なるダメージを受けてしまう2人だったが、それが本気なのか、ふざけているのか、それは当然判る。……顔を見たらよく判る。ずっと クールな表情だったシノンの顔はもう息を潜めているのだから。笑顔が似合う少女のそれに変わっているのだから。

「じゃ、じゃあ、どうするんだよ……。バトルロイヤルなんだから、最後の1人にならないと、勝者は決まらないだろ?」

 キリトはバツが悪そうにそう言う。リュウキはそれを訊くと軽く首を振った。

「勝者にはならない。引き分け、と言う意味では方法はあるだろ」
「あー、リュウキ。半分は間違ってるよ」
「ん? そうなのか?」
「? どう言う事なんだ? リュウキも、シノンも」

 キリトは、判らなかった様だ。決着(・・)の着け方が 戦って勝つ、しか浮かばない様子だ。

「リュウキは ちゃんと判ってるみたいよね。ほーら、この辺の差ってヤツじゃない?」

 くすくす、と口元に手を当てて、笑うシノン。
 当然ながら、キリトの表情がこわばっていく。

「こ、これ以上いじめないでくれよ……。オレ、あんま打たれ強くないんだから……」

 そう言って肩を竦めた。いじめて、いじめられて喜ぶ者は、この場にはいないだろう。斯く言うリュウキも同じくだ。打たれ強くはないから。
 ……だが、件の彼女(・・)はちょっぴり微妙だけど、やっぱりヤリ過ぎると可哀想だろう。

「仕様がないわね……。じゃあ、1つのケースを説明してあげる。……でもこれはレアケースだからね。北米サーバーの第1回BoBは、2人同時優勝だったんだって」

 シノンは、人差し指をたてながら、説明をする。
 そのさわり部分を訊いただけで、リュウキは理解した。シノンが言っていた『半分は間違ってる』と言う意味を。

「理由は優勝するはずだった人が油断して、《お土産グレネード》なんていうケチ臭い手に引っかかったの」
「……ま、最後に華々しく散るのも
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