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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第207話 帰還
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リュウキは、困惑を隠せられなかった。
目の前に、シノンの身体がある。と言うより突然、抱きつかれたのだ。困惑を隠せられないのはリュウキは勿論、キリトもそうだった。特にリュウキに関しては、考え事をしていた時の自己紹介だったから、更に驚きがあったんだ。
シノンは、少し……とは言っても、ものの数秒。5秒にも満たない程で、慌ててリュウキから離れた。
「ご、ごめんなさい……。少しふらついちゃって……」
顔をやや 赤らめながら謝罪をするシノン。……ふらついた、と言うより 自分からリュウキに抱きついていった様に、キリトは見えたのだが、そんな事を指摘できる様な心臓は持ち合わせておらず、黙っていた。
リュウキはと言うと。
「……確かに、状況が状況。神経戦だったからな。無理もない事だ。大丈夫か?」
簡単に納得をしていた。その辺は 想像の通りだ。例え キリトの様に傍から見てみたとしても、多分気づかないだろう。……大分変わったかな? と思えても リュウキはやっぱりこうだから。
「……なんだよ? キリト」
リュウキは、何だか妙な視線を感じて キリトの方を見ていた。
何処か、小馬鹿にしている、或いは呆れている様な顔と視線を向けられている事に気づいた様だ。
「あ、いやー……。ははは」
「だから、なんだ? その生返事。それに、変な笑いすんな。なんか不快だ」
2人の絡みを横から見ていたシノンは、軽く笑っていた。
――……胸に秘めた想いは
まだ
(
・・
)
、打ち明けない。
まだ、100%ではないから。
もしも、そうだったとしたら、シノンは、……誌乃は、
彼
(
・
)
に現実でまた、出会えた時に言うつもりだった。ちゃんと礼を、『おごる』と言う約束も果たさなければならないから。
そして、この胸の内に熱く焦がす様な、感情は一先ず 置いておく事にした。
それは、リュウキやキリトの話の中に、《想い人》がいると言う事を知ったから、と言う理由もあるだろう。でも、今はそれでもいい。……何もかもが、始まったばかりだから。
だから、シノンは微笑みながら2人を見た。
「ふふ。リュウキも同じ感じ、だったね。竜崎。リュウキ、ね」
「……それに関してはキリトと同意見だな。シノンに言われたくない」
シノンの言葉を訊いてため息を吐くリュウキ。考え事をしていた時の会話だが、リュウキは、ちゃっかりと訊いていた様だ。
そのセリフを訊くと同時に、また場は仄かな笑いに包まれる。
そして、笑っている間にも、頭上のカメラは チカチカ、と瞬きを繰り返している。催促をしている様にも見える。『早く戦えー!』と。
「やれやれ……」
「だな。ギャラリーは、かなり期待をしてるみたいだ。ん……、そう言えば
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