精神の奥底
52 Dark Side Of The City 〜後編〜
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りだ。前回は可哀想なくらいオレの圧勝だったからね」
「キサマ…」
「悪いけど、そろそろ時間なんだ。もし次会うことがあったら、よく考えおくといいよ。欲しかったわけでもないものを受け継いでしまった人間の気持ちってやつを」
少年はそう言い残して去っていった。
猛スピードで走ってきたGT-Rから降りた安食は、やや早足で建物に入った。
というのも、嫌な予感がしたからだ。
先程、中央街を移動している時、空から無数の雷の弾丸のようなものが飛び交うという異様な光景を目にした。
その多くが、ちょうど自分たちが取引をしているエリアに向かって放たれていると気づき、上空、もしくは高い建物から何らかの攻撃を仕掛けられたのではないかという仮説が脳裏によぎったのだ。
「……やはり…」
奥には既に戻ってきているValkyrieのメンバーがいた。
しかし先程よりは明らかに少ない。
「…何があった?」
「取引の最中に…狙撃に遭って…」
「弾丸は?」
「プラズマか何かのエネルギーで…カードもダークチップももろともやられました」
「私たちはUXプラザで取引をしている最中、暗闇に乗じて何者か乱入して…電波変換して対抗しましたが、歯がたたず…」
「他は?」
「私たちも…同じような状況で…」
「スターダストだ…暗闇から忍者の真似事して仕掛けてくるのは奴の得意技だ」
スターダストが敵だと考えれば全て納得がいく。
プライムタウンでの一件で身を以て、スターダストのやり口を思い知った。
仮に間違っていたとしても、相当な高さから街中のあらゆる場所をほぼ同時に狙い撃つという離れ業、只者ではない。
間違いなく電波人間だ。
「誰かスターダストに捕まった者は?」
「今のところ確認されていません。我々以外は死んだか、口のきける状態ではありません」
「…ならば…こちらから仕掛ける必要はない」
「何故です!?」
「この様子だと、スターダストはオレたちの計画は失敗し、それでも今もなお懲りずに取引を続けているのは、デンサンシティの治安悪化の悪化がニホンの悪化に直結すると考えていると踏んでいるだろう」
「しかし…気づかれていたら」
「もし気づいているなら、狙うのはオレたちじゃない。”アレ”を直接潰すはずだ。スターダストはお前たちが思っている程、マヌケじゃない。現にプライムタウンの倉庫も勘付かれ、学校でもジョーカープログラムと人質もろとも持っていかれた」
安食は声のトーンそのものは落ち着いているものの、徐々に苛々が募っているとこの場にいる商人たちは皆気づいていた。
「分からないか?常に先手を打たれているんだ。それに敵の根城も分からない状況では、どうしようも
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