第二十話:拙い反撃
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という強敵!」
敢えて言っておこう―――俺達は戦っている。
結構シリアスな場面から飛んで、それなりな殴り合いを演じている。
おまけに場の状況は待ったなしで、楓子を浚われマリスが殺されるか、それを阻止するか……かなり深刻な状況なのだ。
だから……なあロザリンド、俺らは戦っているんだよな……?
間違っても関西ですらまず行わない様な、寒いド突き漫才をやっている訳ではねえんだよな……?
不安になってきやがった。
―――つーか数分前の緊張と、覚悟を返しやがれ。
「ここからは僕も本気で行こう! 何加減はする、だが手心は加えない……後悔はするな!」
「当たり前だ」
と……余計な事を考えていたのと、距離が開いていたこともあったのだろう。
俺はつい相手のセリフに乗って答えてしまい、剣を構えさせる拍をむざむざ作り出してしまった。
「“我が宝剣、力に満ちよ、宿せ燎火……!”」
このフレーズ前にも聞いた……つまり、次に来るのは間違いなく【ミカエルの剣】だ。
―――なら、大丈夫だろうな。
「我が右手に【ミカエルの剣】!!」
予想ぴったり、決して外す事無く期待い通りに焔が飛んできた。
マリスへ向けた物よりも数段は弱い火焔の蛇に、俺は敢えて突っ込むような前傾姿勢を取る。
「えっ? ちょ、ちょっ、なんでそんな―――」
ロザリンドが慌てているが……視野狭窄だとしか言えねぇな。
別に俺は、態々ダメージを負う気でこんな体勢を取っている訳じゃあない……見えているからだ。
「……【漆黒爆弾】……!!」
「あっ」
ロザリンドの後方数メートル先。
いつの間にか死角へ位置を変え、片膝をついて起き上がった “マリス” の姿が。
そして彼女もまた期待を裏切らず俺の望んだ技を放ち、自分でも驚くほどのクソ度胸で爆破によってうねる火焔の軌跡へ突撃してく。
対俺用に弱められているとはいえ、擦れ擦れを通る俺の肌を尚も熱気が焦がしていく。
だがスピードを落とす気はねえ。
その痛みに耐え、至近距離まで肉薄する……!!
「!? し、しまっ―――」
「オラアァッ!」
「ぐぼほおぉ!?」
左への疾走から道の如くしならせたレフトブロー。
たまらずとロザリンドの身体が『く』の字に曲がり、勢いよく顔面の位置が下がる。
其処から無言で右肘を顎めがけて振り上げ、カチあげた。
「ぐもっ!? ……あ、顎が……」
「オオオッ!」
「うぐはっぁ!?」
右ストレートが首元にクリーンヒットし、面白いほど転がって行った。
「さ、
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