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少女の黒歴史を乱すは人外(ブルーチェ)
第二十話:拙い反撃
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【天使の羽衣】をまとって、普通の人間の攻撃など一切無効化出来る……ロザリンドを……?
 絶対的優位と言う場面に溺れた、ロザリンド(あいつ)の演出では無いのか……?


「殺戮の天使の不意打ち……!? 【鋼糸鏖陣】(スティールゴルゴン)による打撃攻撃か!?」


 違う、な。

 花を持たせたのならば、あんな慌て様には成るまい。何より頬に赤い跡が、薄くともちゃんと刻まれている。
 ならばロザリンドの言う通りかもしれないと、俺は茫然としたままにマリスの方を向いた。
 ……が、其処にあったのは俺と同じく、驚きの身を顔に張り付けたままの、寝転がったマリスの姿。対応した様子など全く見られない。


「……私は、何も……」


 寧ろ何が起こったか分からないと、俺と同じ心境の様子にしか見えない……。


「え……え? ……えっ?」


 楓子は―――論外だな……驚きすぎて目がまん丸だ、比喩ではなく皿の如くだ。
 平常時ならば腹抱えて笑えるだろう、腹筋崩壊間違いない。
 己の作った設定が―――恐らくだが、全くの予想外な物に打ち破られたんだ。
 寧ろ、あんな風になるのが自然の成り行きか。

 ……かく言う俺自身が最もビックリしている……一体どういったからくりでロザリンドにダメージを与えたんだ、俺は?


「まさか麟斗君がやったのか……? いや、そんなことはあり得ないはずだぞ……彼は普通の人間の筈だ……!」


 俺だって同じ気持ちだよ。
 何が起こっているか、半分理解できてねえ。
 あり得ないと叫びたいぐらいだ。

 ……状況が状況で無けりゃ、な。


「ななな、何が起きてんのぉ……兄ちゃんがロザリンド様を殴り飛ばしてぇ……?」
「……分からない、何故こんな事が……」


 傍で眺めている奴らが狼狽しているおかげか、俺の困惑は一足早く落ち着かせる事が出来た。
 兎に角、俺の拳はロザリンドの【天使の羽衣】を、傷跡からいって完璧にではないが、ある程度通り抜ける事が出来る。

 これが分かれば()()()
 コレからやる事に―――


「オラア!!」
「うぐへっ!?」


 殴りつける事に、変わりはない……!

 寧ろなけなしの時間稼ぎ程度ではなく、ある程度のダメージが与えられると……自分の身だけに危機が迫るのではなく、相手にもそれなりの危険あると分かったのなら、これ以上に今最も効果のある行動はない。
 ならば―――やる事は、何も変わらねえ……!


「オラアアッ!!」
「ちょまグヘア!?」


 紅薔薇の剣姫の制止など、聞く義理も余裕も無いのでシカトし顔面に右ストレート。


「こ、この―――」
「シッ!」
「――
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