暁 〜小説投稿サイト〜
大切な一つのもの
4部分:第四章
[2/2]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
非常に簡単です」
 ザックスは歌の騎士に対してそう語ります。
「ではここにあるのですね」
「しかしそれと共に見つけることが非常に困難なものでもあります」
「!?それは一体」
 ザックスのその言葉の意味がわからずつい首を傾げてしまいます。
「どういう意味なのですか?」
「それを手に入れられたいのですね」
「勿論です」
 毅然とした声で答えます。
「だからこそ私は貴方に」
「そうですか」
 ザックスは歌の騎士の言葉を聞いてあらためて頷きました。
「わかりました」
「それでは御存知なのですね!?」
「はい」
 そのうえで言うのです。
「それでは」
「それでは?」
「今日はこの街にとって特別な日なのです」
「特別なとは」
「ニュルンベルグにとって街が生まれた日でありまして。それで」
 静かに言葉を続けます。まるで何処かに誘うかのように。
「歌のコンクールが街の広場で行われます」
「広場でですか」
「そこで優勝されればきっとそれを手に入れられるでしょう」
「この世で最も大切なものをですね」
「その通りです」
 ザックスはそう答えます。

[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ