暁 〜小説投稿サイト〜
大切な一つのもの
3部分:第三章
[2/2]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
様なんですよ」
「君のかい」
「はい、靴屋でして。名前をハンス=ザックスといいます」
「ハンス=ザックス」
 歌の騎士はその名前を聞いて目をしばたかせます。ハンス=ザックスといえば帝国でも有名な人物で歌の騎士は歌手として彼を知っていたのです。他にも色々と有名な人物のようですがとりあえず彼は歌手として彼を知っていました。
「君の師匠はあのハンス=ザックスだったのか」
「左様で」
「しかも彼はこの街にいたのか」
「御存知ありませんでしたか」
「今はじめて知ったよ」
 驚きを隠せない顔で彼に答えます。
「そうか、このニュルンベルクに」
「人呼んでニュルンベルクのマイスタージンガー」
「マイスタージンガー」
 歌の騎士はその名を呟きます。
「歌の親方か」
「そう、歌だけではありませんよ」
 ダーヴィットは自分の師匠のことなので誇らしげに言うのでした。
「靴屋でも学問でも。全てにおいて立派な方です」
「では彼なら知っている筈だ」
 歌の騎士はそこまで聞いて確信しました。彼ならばと。

[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ