紅蓮
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、砕け散れッ!!」
マテ娘から預かったエナジーが全て乗った暗黒剣を腰に構え……一瞬にも満たない刹那を狙って、俺のエナジーをカートリッジのように爆発させてサムのような居合い抜きを放つ。そしてオーラをまとって真っ赤に煌めく暗黒剣の刃が、衝撃波を発するファーヴニルの角の真を捉え……
バキィィィィンッッ!!!!
木端微塵に打ち砕いた。その瞬間! 角が折れた部分から大海のごとくおびただしい光が空へと立ち上る。言語を奪われた人間の数だけ淡い白色の光の筋が伸び、空へと一旦還った光は“退行”した誰かの下へ降り注ぎ、慈母のように優しく身を包む。
そして俺達に……“言語”が戻ってきた、過去が戻ってきた、記憶が戻ってきた。そう、エレンが俺に託した願いは……果たされたのだ。しかし……まだこの戦いが終わった訳じゃない。
ファーヴニルの背中を駆け抜けて宙へ飛んだ俺をユーリがキャッチ、命を懸けて俺をたどり着かせたディアーチェ達の所へ向かう。もしかしたらマズい事になっているかもしれないと思って戻ってみれば、どうやらシュテルは魔力の炎熱変換で氷を溶かし、レヴィは体内の免疫機能をフル稼働させて毒を取り除き、ディアーチェは気合いで石化を押し返して回復していた。……俺も大概だと思っていたが、こいつらも意外とタフだよなぁ。だが結果的に体力を凄まじく消耗して、彼女達はたまらず座り込んでいた。
「流石です、教主。先程の一閃、実に惚れ惚れする太刀筋でした。その助けが出来て私は光栄に思います」
「ただね……もっと力になりたいんだけど、ちょっと頑張り過ぎてクタクタだよぉ……」
「一応戦えない事は無いが……しばし時間をくれぬか。少し休めば、再び全力で戦えるはずだ」
「そうか。しばらく休んでいろ、ファーヴニルの角を破壊できたのはおまえ達の協力があってこそだからな。……感謝する」
「皆、お疲れさまです〜」
「うむ、存分に褒めるがよい。それと水の補給はちょうど欲しかった所だ、ユーリ。お手柄だぞ」
という訳でユーリが持ってきた水を飲みながら座り込んでいる彼女達の頭を一人一人、労をねぎらう意味も込めて撫でていく。疲れ切っているためあまり動きは無いものの、それぞれ喜びの感情を示していた。
「ところでマキナとシャロンは大丈夫なのだろうか? 先程からマキナの援護も止まっていて、シャロンの月詠幻歌もまだ再開しておらんぞ」
「もしかしたら彼女達の身に何かあったのかもしれません。ラタトスクが未だに姿を消したままで、角が破壊されるというのに邪魔をしてこなかったのがそもそも変じゃないですか?」
「う〜ん、ボク達に恐れをなして逃げちゃったんじゃない? ……なんてね、確かにおかしいなぁ……どうしてだろう?」
「少し整理します。……ファーヴニルを封
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