紅蓮
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盾の部分さえどうにかしてしまえば勝利は目前となる!
周囲の景色が超高速で流れていく中、頭部から無数に放たれた様々な怪奇光線の雨を、ディアーチェと息を合わせた機敏な反応で掻い潜る。時にはオーラの腕で強引に軌道を変え、時にはディアーチェがバレルロールの軌道を取って、毒や石化、気絶の能力が含まれている光線を紙一重のタイミングで回避し続ける。だが次の瞬間、これまでと比べて最も強力な怪奇光線が大量に発射される。俺達やシュテル達は瞬時に回避機動を取るが、こいつは超高性能ミサイル並みの誘導力を誇っていた。
「これでは流石の我らでも追い付かれる……ならば!」
背後から紫の光線が迫る中、回避しきれないと判断したディアーチェはエナジーのほとんどを咄嗟に俺に授け、ファーヴニルの頭部へと投げ飛ばした。
「行け、教主殿! その手で我らの未来を!」
柴天の書を展開して紫の光線を防御するも、付与されていた能力が作用して本を通じて手から徐々に石化していくディアーチェ。王たる意志を示した彼女は、浸食してくる石化に抗いながら未来を託す。
そこに右翼を切断したレヴィが飛翔、差し伸ばした彼女の手を掴むと、彼女からもありったけのエナジーが流れ込んでくる。そのまま振り上げられた事で、俺の身体は更に勢いを加速させる。
「さあ飛んで、お兄さん! その剣でボク達の希望を!」
俺を投げた後、身体の半分まで石化が進んだディアーチェに迫る緑の光線を防御するレヴィ。守るべき者のために力を示した彼女は、毒に蝕まれながらも希望を託す。
弾丸のように飛翔する俺に、先回りしていたシュテルが手を伸ばす。そして彼女もまた俺にエナジーを託して投げ飛ばした、暗黒、月、そして太陽のオーラを俺は全身にまとってレアメタルの角を目掛けて一直線に飛ぶ。
「私達の想いを教主、あなたに全て託します!!」
追尾してくる青い光線を身を張った防御で受け止め、それでもなお熱き思いを投げかけるシュテル。生きとし生ける者の理を示した彼女は、氷に覆われながらも心を託す。
彼女達の決死の想いを背負って、真正面から光のように飛来してくる俺を目の当たりにしたファーヴニルは、ヴァナルガンドのように短時間のチャージで放てる破壊光線の発射体勢に入る。流石に威力は前回より格段に低いが、それでもその光は人間一人を消し去るには十分過ぎるものだった。しかし……!
「とぉりゃあ〜!!」
上空から赤い光線を両断してきたユーリがジャベリンバッシュを発動。バインドで拘束したファーヴニルに槍を放ち、破壊光線をチャージしていた口を強引に閉ざす。彼女のおかげで俺のちょうど真正面にレアメタルの角が移動して来た。これなら全ての力を一切発散せずに突貫出来る!
「奪ったものを返してもらうぞ、ファーヴニル! さぁ
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